【小論文・課題文型】死角を見せずに合格を勝ち取るための文章とは

小論文

死角をみせない

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

いよいよ12月も半ば。

入試も近づいてきました。

本番までそれほど時間の余裕はありません。

ちょっとだけ試験場での様子を想像してください。

受験生がたくさんいます。

緊張しますよね。

チャイムがなって、いよいよ試験が始まりました。

課題文に取りかかる前に、まず問題を読みます。

設問の指示を頭の中にしっかりインプットしてください。

自分の経験を必ず文中に入れなくてはいけないという指示もよくあります。

決まったキーワードを必ず入れなさいというケースもあります。

それ以前に内容を要約しなさいという指示が出題されることもあるでしょう。

その全てを必ず満たさなければいけません。

1つでも抜けていると確実に減点されていきます。

試験は非情なものです。

それからおもむろに課題文の読み取りが始まりますね。

ここで十分に時間をかけてください。

いい加減に読んでしまうと、絶対に後半で苦しくなります。

何も書けません。

なんとか文章をまとめようとしても、どれが主題なのかわからなくなるのです。

内容の理解ができなければ、文章の方向性も見えなくなります。

つまり問題提起をすることが難しいのです。

自分の主張なども出てきません。

判断不能

簡単にいえば、課題文に対するYesかNoかも判断できないのです。

これだけで、もう苦しいですよね。

みなさんが毎日している会話を想像してください。

相手の話をきちんと理解しないまま、おもむろに自分の意見を言っても、誰も話を聞いてはくれません。

対話が成立しないのです。

それと同じです。

まず相手の論理を知らなくてはダメです。

傍線を引きながら、ていねいに読み込んでください。

その際に1番大切なのがキーワードの把握です。

具体例に引きずり込まれてはいけません。

例示は一般論をよりわかりやすく判断してもらうための糸口です。

geralt / Pixabay

そこにばかり注目してしまうと、全体の内容が見えなくなってしまいます。

基本的にこの部分は軽く読み飛ばしてください。

抽象的な表現でまとめられた部分が最も大切です。

そこに自分がどう反応したかで、全てが決まるといってもいいでしょう。

問題提起がみえてくれば、それほどのミスは起こりません。

逆にここが曖昧だと、結論への道のりが全く見えません。

自分の主張は簡潔にわかりやすく書きましょう。

書けそうですか。

難しい言葉を使ったからといって評価があがるワケではありません。

観念的な表現をいくら多く使ったとしても、中身がきちんと見えていなければNGです。

採点者は全体の流れをみています。

日常の言葉

文章を読めば、その人の学力がみえてくるものです。

どの程度の国語力を持っているのかも、すぐにわかります。

豊かな語彙を自由に操るというのは、それほど簡単なことではありません。

採点者の目をごまかすことはできないと考えておいてください。

彼らはどこをみていると思いますか。

もちろん、その人の語彙はみます。

それ以上に大切なのが論理性です。

自分の主張や意見を書いた後に、その論拠、根拠を示す部分があるのです。

簡単にいえば、なぜ自分がそういう結論に至ったのかという説明です。

ここを徹底的にチェックします。

ここが杜撰だともうダメです。

例示は抽象的な内容を補完するものだという話を書きました。

ということは例示を多く書いてはいけないということです。

つい自分の体験を書いて熱くなってしまうケースが時々見受けられます。

話の中に没入してしまうのです。

これだけは絶対に避けてください。

1番厄介ですが、クリアしなければならない点です。

その上にたって結論に至るのです。

最終的には内容を言い切ってください。

「~だろう」などという結論にされると力が一気に弱まってしまいます。

あるいは希望だけを述べるのも迷惑な話です。

それならば、それを実現するための方法論はないのかという方向へ必ず論点が進まなければなりません。

減点のための死角を見せないことが入試での合格条件なのです。

何度も試みてください。

説得力のある文章

論理的に積み上げられた文章でないと、評価は一気に下がります。

なんとなくそう思ったというタイプの文が1番嫌われます。

どうすれば上手に説得力のある文章を書くことができるのでしょうか。

基本は読書量と思考の訓練です。

さらにいえば、文章を書く経験の多さです。

内容が濃く、実感のある文をどの程度書き続けてきたのかなのです。

今からそんなことはできないと慌てる必要はありません。

今までに十分にさまざまな授業を受けてきたはずです。

そのなかで多くのことを実践してきたのではありませんか。

自信をもってください。

文章が説得力を持つためにはどうしても論理的でなければなりません。

なんとなくフィリーングで書いた文ではNGです。

こうした理由で、こういう根拠があるから、この結論以外にはないという形で文章をまとめていくのです。

このあたりはかなり経験がものをいいますね。

これからでも大丈夫です。

毎日少しずつ繰り返して下さい。

良質な文を意識してたくさん読むこと。

毎日続けてやった人には、絶対に勝てません。

試験まであとわずかです。

毎日が試験だと思って、緊張感を持ち続けてください。

必ずあなたの努力が報われる日がくきます。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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