電子書籍
みなさん、こんにちは。
元都立高校国語科教師、すい喬です。
今回は電子書籍の問題を取り上げます。
本当に便利な時代になりました。
しかしいまだに大半の人が紙の本を読んでいます。
電子書籍は、電子ブック、デジタル書籍、デジタルブック、Eブック、オンライン書籍とも呼ばれます。
PCやスマートフォン、タブレットで閲覧用アプリを用いたり、電子書籍リーダーなどで閲覧するのです。
既に出版された印刷書籍を電子ファイル化することも可能です。
印刷、製本、在庫確保、流通、その他経費を大幅に削減できます。
2020年度の電子書籍市場規模は4821億円と推計されています。
2019年度の3750億円から1071億円(28.6%)増加しました。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う、巣ごもり消費の影響が大きかったものと思われます。
今後、2025年度には6700億円を超える市場に成長すると予測されています。
電子書籍は再販もでき、絶版を避けられるのです。
個人が出版社などを介することなく独自で出版できるのも魅力の1つです。
新しい時代の本として、今や電子書籍はごくあたりまえの存在になりました。
小論文のテーマとしても出題されることがあります。
その場合は、だいたいメリットとデメリット、さらに将来性についての内容が多いようです。
このような問題に対して、あなた自身の立ち位置を決めておく必要がありますね。
課題文は推進する立場と反対の立場に分かれて論じられているものが多いです。
あるいは最近の傾向がグラフで示されることもあります。
どの立場で書かれたものであっても、あなた自身の基本的な立ち位置からどう考えるのかということが大切です。
その際に両者の特徴と今日的な問題点がみえているかどうかによって、内容が変化します。
必ずメリットとデメリットがどこにあるのかを、冷静に見て取っておくこと。
これさえしておけば、それほど的外れな内容にはならないと思います。
やっばり紙の本
本はやっぱり紙でないとという人が大勢いるのも事実です。
紙の本は表紙などパッケージングにも魅力があり、所有することの楽しみもあります。
ページをめくるという行為が読書をするという身体的な動きとあわせて、刷り込まれているのです。
地域の文化として、図書館などでの活用もごく日常の風景です。
しかし最近は書店の数も次第に減りつつあります。
個人営業が難しいのです。
大型書店に集約される傾向がますます強くなっています。
問題は自宅に本が増えていった時、どうするのかということです。
昨今の住宅事情から本を置く場所を確保するのが問題なのです。
それに比べれば電子書籍は場所をとりません。
パソコンやタブレットなどが1台あれば、それで十分です。
ただしあくまでも紙の本を望む人の根本的な考えの基本には「紙の質感」があります。
1枚ずつページをめくりながら読む時の気分は電子書籍にはないという言い方をします。
確かにそうした側面は否定できないでしょう。
しかしそれ以上に電子書籍が広がりつつある背景には何があるのでしょうか。
電子書籍のメリットをまず最初にピックアップしてみます。
①在庫切れがない
②文字のサイズ・フォントを変えられる
③値段が安い
④本を置くスペースがいらない
⑤持ち運びが便利
⑥地域格差がない
⑦読み上げ機能がある
どうでしょうか。
このメリットをどう評価するのかにポイントが絞られます。
多くのメリット
なるほどと思う点がありますか。
1番のメリットは書店に買いに出かけなくても瞬時にすぐ手に入るという点でしょう。
読みたいと思ったらすぐに読めるのです。
このメリットはなんといっても大きいものがあります。
個人的にはフォントの大きさをかえられるという点がありがたいですね。
文庫本などは特に活字が小さいので、長く読んでいると疲れを覚えます。
電子書籍にはそれが全くありません。
ではデメリットはどうでしょう。
それがつまり紙の本のすぐれた点の裏返しになるのです。
電子書籍のデメリットはむ以下の点です。
①初期投資がいる
②機材が重い
③質感を味わえない
④貸し借りができない
電子書籍の開発が開始されたのは1970年頃からです。
紙の本を利用していた人達が電子書籍へと移行していくのにはやはりメリットがあるからでしょう。
書店にないものでもすぐ購入できるという点は、確かに電子書籍の強みでもあります。
しかし紙の本でも、今はネット通販が盛んですので、必ずしも手に入らないということはありません。
それでも電子書籍が普及しつつあるのにはストアの存在があります。
600万冊以上の電子書籍があるストアもあるのです。
複数の店舗を歩き回って探すのは大変な労力ですからね。
電子書籍では好きな誌面を保存することも可能です。
いわゆるスクショ機能を利用すればいいのです。
紙の場合にはコピーして保存するという手間が必要になります。
どっちの立場に立つのか
その他、クーポンによる割引なども利用すれば、安く読むことも可能でしょう。
最近では活字だけではなく、話題になったマンガを早く読みたいという人のニーズが高いです。
バッグにいれてどこでも好きなところでマンガの続きが楽しめるというメリットもあるのです。
それでもやはり紙がいいという人の理由に初期投資をしたくないという声があるのも事実です。
電子書籍リーダーなどは、安いものもありますが、やはり性能がいいものは高いです。
数万円は覚悟しなければなりません。
性能のいいものはブルーライトをカットすることができます。
キンドルなどのデバイスは重さもそれほどではありません。
文字の見え方も紙の本に近いです。
長く読んでいても目が疲れません。
電子書籍を嫌う人の中には、この目の疲れを訴える人がいるのも事実です。
ここまでくると、どちらがいいかというより、本という媒体に何を求めるのかという点に集約されるのではないでしょうか。
昔ながらの本の感触を好む人は、しおりをはさんで机にふと置いた時の風情がいいのかもしれません。
機能だけの問題ではないのです。
あなたはどちらに軍配をあげますか。
その立場を大切にしてください。
それが1番自然な文章を組み立てます。
このテーマに正解はありません。
極論をいえば、どちらでもいいのです。
それだけに結論を出すのはかなり難しい要素があります。
今まで1度も使ったことのない人は、試しにタブレットなどで試みてください。
無料で読める作品なども多数あります。
その後でこのテーマを考えるというのもいいかもしれません。
メリットとデメリットを冷静に認識することが大切です。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。