【小論文・国語力】評論問題を徹底的に解け【嘘のように書ける】

学び

評論文の底力

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は小論文と入試評論文の関係について書きます。

どういう関係があるのと疑問を持つ人もいるでしょうね。

入試といえば、評論文です。

一般入試には必ず出る現代文の花形です。

一方、小論文は推薦入試がお得意様。

全然、方向性が違うじゃありませんか。

まさにその通りです。

しかし今日の小論文はほとんどが課題文型といってもいいでしょう。

その大部分は評論からとったものです。

つまり現代文の問題も小論文も元は同じなのです。

ちょっとだけ衣装をかえて登場したと考えてください。

それが1番わかりやすいです。

としたら、問題の根っこは全く同じ。

評論の問題は読み取るのが難しいですね。

4択などの問題も実にひねった答えが用意されています。

たった1つしか正解がないといわれると、本当かと思うくらい、よく考えられています。

実は小論文はその解答を考える作業を自分ですることなのです。

あらかじめ、それらしい解答を4つも並べもらっているのではありません。

最初から自分の脳ミソだけで、解答を用意するのです。

どっちが簡単ですか。

つまりそれだけ小論文を書くには国語力が必要なのだという話です。

問題を解くのと同じ

最初に課題文を読みますね。

全力でポイントを探していきます。

とりあえず具体例は省きましょう。

抽象的な内容のところにキーワードがあります。

それがなんであるのかをじっくり判断して探す能力が国語力なのです。

つまりこれが小論文を書くためのターボエンジンです。

ないと全くどうしようもありません。

いくら文章を読んでも何も見えてこない。

小論文と国語力と表裏一体なのです。

だから国語の試験をやらない大学もありますね。

それは元が同じだからです。

1度の小論文試験で全てがわかるのです。

さあ、どうしますか。

どうやったらそのための国語力を身につけられるのか。

答えは1つです。

評論問題を解いてください。

そして4択のみならず、書かせる問題にも積極的にチャレンジしてください。

そうすることで力がつきます。

もちろん、答えをみてあたったのか外れたのかを調べても意味はありません。

解説をじっくりと読むのです。

深い理解がないと、難関の入試は突破できません。

mohamed_hassan / Pixabay

問題の作成担当者はその年に出た評論にほとんど目を通しています。

あまり難解なのでは受験生も歯が立たないでしょう。

狙い目は新書です。

これは字数も少ないし読みやすいです。

そのわりに議論のわかれるところもかなりあります。

草刈り場にふさわしいのです。

自由に書いていいのか

多くの受験生が勘違いしていることは何でしょうか。

小論文は自由に自分の意見を書いていいと思っている人が実に多いことです。

あなたの考えを書きなさいと言われると、いい気持になって意見を開陳している人がいます。

これはNG。

絶対にしてはいけません。

小論文には作法があります。

それを守ってください。

ポイントは課題文の中にあるテーマにそって問題を見つける作業が大前提だということです。

勝手に自分の意見を書いてくれなどといっているのではありません。

ここを勘違いする人のなんと多いことか。

あきれちゃいます。

つまり課題文の中にあるもっとも深い問題意識を読み取ることが最初の難関なのです。

筆者の意見を十分に読み取ってからすべてが始まります。

課題文を理解できない人は、小論文が書けません。

この時に何が必要か。

もうわかりますね。

国語力そのものなのです。

そこに提出された筆者の意見を完全に理解すること。

それが出発点なのです。

理解ができたら

課題文の内容を理解するのは大変です。

今年のようにコロナウィルスで世界が激変したことをテーマにすることも可能でしょう。

それを人類の驕りと捉えた文章が提出される可能性もあります。

あるいは自然の生態系に分け入って、食物連鎖の問題にすることも可能です。

以前ならば侵入しなかった森林の奥にまで人間が入ったことで、完全に生態系を破壊したことがコロナの原因だとする説もあります。

このようにたった1つの感染症の問題にしても、さまざまなアプローチの仕方があります。

それをきちんと理解しないと、小論文は書けません。

geralt / Pixabay

筆者はどの視点から入り込もうとしているのか。

その考え方に賛成か反対か。

その主張がなされた背景には何があるのか。

あなたの反論は何か。

ディベートを紙上で行うのです

その時にポイントをきちんとつかみとる訓練が必要です。

これができないと、いくら一生懸命書いても評価は高くなりません。

なぜか。

ピンポイントでテーマを掴んでいないからです。

ここで国語力の差が出ます。

あなたの意見を自由に書きなさいという設問の秘密がわかりましたか。

採点者は問題の前に大きな穴をあけて待っています。

この落とし穴に落ちずに無事に渡ってきたものだけをきちんと採点するのです。

それ以前に内容の理解が不十分な答案は、相手にされないと考えてください。

もちろん、採点をしないワケではありません。

しかし合格には届かないのです。

厳しいです。

これが小論文試験の実態です。

とにかく合格したいのなら、評論文の問題をたくさん解いてください。

そして解説を身体の中で咀嚼すること。

わからない言葉を調べること。

語彙を増やすこと。

やらなければならないことがいくつもあります。

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頑張ってください。

期待しています。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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