中世

【無名といふ琵琶の御琴を】定子のいるサロンが放つ中世の華やかさと影

中宮定子のサロンの様子を描いた段です。清少納言と定子の関係が実に色濃く出ています。なんかして定子がすばらしい女性だったということをアピールしたかったのでしょう。その熱意が痛いほど感じられます。最も幸せな時でした。

【男こそ・枕草子】いつの世も男女の仲は複雑怪奇です【中世の恋愛観】

いつの時代も男女の仲は複雑怪奇です。ましてや中世においては、現代とは全く違う結婚観を持っていました。女性はあくまでも家に縛り付けられていたのです。しかし清少納言は宮廷に仕えたことで、世間を一気に広くしました。その結果が『枕草子』に残っています。

【伊勢物語・東下り】古文の世界にひたって中世の美意識に酔いしれる

伊勢物語の世界は華麗で美しいです。源氏物語とよく並べられて賞賛されます。高校では必ず習う「東下り」の段を一緒に読みましょう。歌物語だけにたくさんの和歌が入っています。その中でも唐衣で始まる歌は最もよく知られています。技巧的にもみごとな和歌です。

【浜松中納言物語】夢のお告げと生まれ変わりを信じた輪廻転生の物語

三島由紀夫が最後に書いた小説が『豊饒の海』です。この作品には輪廻転生の思想が色濃く反映されています。そのヒントを与えたのが中世の物語『浜松中納言物語』なのです。日本と中国を行き来する人間と夢の交感が最大のドラマです。是非味わってください。

【徒然草53段・仁和寺の法師】中世における滑稽話の最高傑作

徒然草53段に出てくる仁和寺の法師の話は実に滑稽です。酒の席で調子にのりついそばにあった鼎を頭からかぶってしまいます。それが抜けなくなって大変なことになったのです。最後は耳がちぎれてもいいから抜けということでした。笑い話ではすまされませんね。