【SDGsへの視点】人の健康を蝕む地球環境の破壊は臨界点間近

学び

SDGsへの視点

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は現在最も深刻な環境問題をとりあげます。

このテーマはSDGsの中でも、喫緊の課題の1つです。

多くの環境問題の中で最も広範囲に及び、かつ最も深刻なものは、地球温暖化だと言えるのではないでしょうか。

今年の夏をみてみれば、そのことは裏付けされます。

かつて30度を超えると、それだけで暑いという言葉が飛び交いました。

しかしなんとか扇風機でしのいできたのです。

しかしここ数年の暑さはケタが違いますね。

35度を超え、さらに40度近くにまで達するのです。

線状降水帯が発生し、突然の大雨に被害は大きくなるばかりです。

私たちは「環境」という言葉を大変よく便利に使っていますが、その定義は広いです。

海や大地などの地球環境はもちろん、もっと視野を広げれば宇宙空間全体を含んだ総称としても使用されるのです。

環境問題がなぜここまで、クローズアップされるようになったのでしょうか。

その第1の理由は、先進国を筆頭とした工業化及び都市化が進んだからです。

まさに1970年代頃から怒涛の経済発展をしました。

その結果、経済成長と引き換えに公害が発生したのです。

あまりに影響が深刻なので、現在国連が前面に出て、SDGsなどのキャンペーンを張っているというのが現実です。

CO2の排出は瞬く間に、地球の温度を上げてしまいました。

海水温が上がり、そのために漁業への影響が甚大です。

今まで取れていた魚が全く違う場所に移動し、漁獲高に大きな転換が訪れています。

従来なら安く大量に捕れたものが、一躍、高級魚に変身してしまいました。

そのいい例が秋刀魚ですね。

地球温暖化

地球温暖化の原因は温室効果ガスそのものです。

20世紀に入り、突如始まった産業経済革命以後、エネルギーの消費量は莫大なものがあります。

原因は大量の化石燃料を経済活動に使った結果です。

自動車の排気ガス規制を行ってはみたものの、気候変動や異常気象を招く結果になっています。

現在も電気自動車への転換などを積極的に行ってはいます。

しかしなかなか削減目標に追いつかないというのが、本当のところでしょう。

南極では氷が溶け、生物たちの命が脅かされています。

今年の夏のことを考えてみれば、その異常さがすぐに理解できるはずです。

以前なら考えられないことが、次々と起こっているのです。

北海道や東北などでも連日、30度を超える日々が続いています。

海水温が高いため、熱帯低気圧が台風になるケースも多く発生しています。

熱中症という言葉を聞かない日はありませんでした。

以前なら涼しい日陰などにいれば、なんとかしのげたものです。

それがエアコンなどをきちんと使用してくださいと、ニュースの中でアナウンスする時代です

今年の8月の東京の平均気温はフィリピンの首都マニラとほぼ変わらなかったという話です。

この異常な中で日本には、夏と冬以外はなくなったのではという話も、まことしやかに出てくる始末です。

発電方法なども、CO2を排出しないという自然エネルギーの方向に向かいつつあります。

しかし基幹となるエネルギーは、依然として石炭、石油などの化石燃料に頼っているのが現状です。

一方で、二酸化炭素を排出しない原子力発電に対しては、懐疑的な考えを持った人が多いのも事実です。

福島沖での事故以来、世界の流れも微妙に変化しています。

海洋汚染

地球温暖化に次ぐものとして海洋汚染があげられます。

海洋生物の生態系が完全に狂ってしまいました。

海に廃棄された石油、生活排水などでの汚染が続いています。

現在、最も厄介なのは「マイクロプラスチック」の問題です。

原因は何か。

ペットボトル、ストロー、ビニール袋などが主たる原因です。

しかし最も高い割合を占めているものとしては、漁網があげられます。

腐らない、加工しやすいというプラスチックの持つメリットが、今日では、完全に反対の側面を見せているのです。

細かく砕けたプラスチックが層になって海水の中を浮遊します。

もしもこのまま海洋汚染が続いた場合、海洋生物よりもゴミの方が多くなるという予測もあるのです。

魚の腹からプラスチックが発見され続けているという事実が、この問題の根深さを教えてくれます。

水質汚染

SDGsの中でも大きな問題は、きれいな飲める水の確保をどうするかということです。

水質汚染の原因は、ほぼ生活排水にあることが分かっています。

台所の外は海という表現があります。

調味料、油、米のとぎ汁などによる影響で水質が汚染されます。

やがてそれが地面に浸透し、土壌汚染に繋がっていくのです。

アフリカでは、きれいな水を飲める施設が求められています。

当然のことながら、感染症などに罹りやすくなり、チフスやコレラの病気が蔓延する原因となっているのです。

日本のNGOやJICAなども、上水道の施設をつくることに懸命です。

しかし現実は約7億人以上の人々が、今も汚染水を飲んでいるのです。

大気汚染と森林破壊

大気汚染の原因は車の排気ガスと工場から排出される有害物質です。

かつて四日市ぜんそくと呼ばれる公害病がありました。

光化学スモッグという言葉を聞いたこともあるでしょう。

有害物質と太陽光が化学反応を起こすのです。

最近ではPM2.5と呼ばれる粒子状物質が原因で、肺や気管などの病気になると言われています。

さらに山火事などのニュースを聞くこともありますね。

気温が異常に高くなり、森林火災が発生します。

1度燃え始めると、容易に鎮火することがありません。

地球の大気を汚染するのはもちろん、野生動物の減少も引き起こします

本来、地球の環境に酸素を供給する光合成も行われなくなります。

ここまでSDGsの内容に即して、地球環境の問題を考えてきました。

あなたはこれらの課題の中で、何が1番喫緊のテーマだと考えますか。

是非、1つを取り上げ、その問題点と課題、さらには解決への糸口を考えてみてください。

自分の中で何が可能なのかということを、真剣に考えてみることが、環境問題には最も大切です。

実際、今年の夏のような猛暑を実感しみると、かつての地球とは全く違った天体になりつつあるという実感が強くなります。

もう後戻りはできなくなっているのです。

エアコンを使うには電気がいります。

その発電には化石燃料が必要になるのです。

太陽光発電もありますが、自然エネルギーの量はまだそれほど多くはありません。

しかしだからといってやめるワケにはいかないでしょう。

その矛盾をきちんと突いてください。

真摯な視点が、地球の明日をつくるのです。

今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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