【小論文の修練】新書を最低10冊読んで基礎知識を学ぶ【志望分野】

小論文

最低10冊

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

近年は課題文型の小論文が中心になりつつあります。

志望した学部にあったテーマがよく出るのです。

政治、経済、文化、環境、言語、哲学…。

何が出題されても不思議はありません。

文章を書く時にそれらに関連する知識が全くないのではお手上げですね。

いくら課題文にそって理解しようと思っても、基礎的な情報を仕込んでおかなければなりません。

そのためにはどうすればいいのか。

1番てっとり早いのがインターネットです。

関連のキーワードを打ち込めば、ある程度の知識は得られます。

しかし事実の確認が行われないまま、まとめられた文章が多いのも事実です。

mohamed_hassan / Pixabay

どの立場から書いているのかも、よくわからないということがあります。

そこで最も勧めたいのが新書です。

自分が志望したい領域に関して最低10冊は読んでください。

新書とは何かを知らない人もいます。

自分で調べてみましょう。

文庫本より、少し縦長です。

いろいろな出版社から出ています。

本屋さんの書棚や図書館で探してください。

まったく反対の論点からまとめられたものも必要です。

さまざまな筆者の本を読みましょう。

専門的な内容の著作にこだわらなくてもいいのです。

俯瞰してみよう

広く全体の構図を俯瞰できるタイプの本がいいですね。

大学の授業でいえば、概論に近い勉強です。

興味を持ったら、そこからさらに深堀していけばいいのです。

いろいろな立場の主張をインプットしておけば、理解が早いです。

さらに文章を書く時もアウトラインを組み立てやすくなります。

自分がどの方向に向かって書き出しているのかということが、明確になります。

別の言葉でいえば、プロットです。

結論に向かって進むことが可能になります。

新書を10冊読むのは苦しいですか。

最近の新書には随分わかりやすく書かれた内容のものが多いです。

かつてのような教養主義の傾向が濃い本ばかりではありません。

気楽に寝転がって読む姿勢を身につけてください。

それがやがて実力になっていきます。

今、できないようではとても大学での講義にはついていけないでしょう。

本当は10冊では少ないのです。

高校生の頃、先生によく言われました。

卒業までに新書を100冊は読めと。

そうすれば、少しは学問をやる土台が作り出せるということでした。

しかし小説とは明らかに違って読みにくいのも事実です。

頑張ってトライしてみてください。

基礎的な知識をプールしておかないと、どうにもならないのです。

応用して発展させようと思っても、どこから切り取ればいいのかわかりません。

課題文にはたくさんのヒントがつまっています。

それを上手に利用するためにも、基礎知識を蓄えてください。

評価の仕方

次は書いたものをどうするのかということです。

アウトプットされた文章の評価が最も難しいのです。

評価の基準は大変に複雑です。

やってみればわかります。

とても疲れるのです。

つまり読む人間の資質が試されているワケです。

内容、構成力、文章力、独創性などについてそれぞれ判断しなくてはなりません。

書き終わったら、あなたも勇気を出して評価を依頼しましょう。

必ず別の人に読んでもらう必要があります。

第三者の冷静な目が必要です。

問題は誰に読んでもらえばいいのかということです。

友達はどうでしょうか。

他に誰も候補者がいないのであれば、頼んでみましょう。

しかしできたら信頼できる先生にお願いした方がいいですね。

きちんとした専門家の目でなおしてもらうのです。

「てにをは」レベルの添削ではやはり不十分です。

内容の構成に絡む本質的な添削をしてもらってください。

ぼくのところにも入試の数か月前になると生徒が過去問をやったからみて下さいと持ってきます。

コピーを取り、数日のうちに真っ赤にして返します。

本人の前で説明しながら、ここが悪いとはっきり説明するのです。

ある程度納得してもらったら、もう1度書いてきなさいとはっきり言います。

これが大切なのです。

構成の仕方、段落の作り方、プロットの方向性、言葉の使い方。

いろいろな視点から添削します。

納得のいくまで

ここからがポイントです。

本人に納得がいくまで書き直してもらうのです。

どうしたら説得力のある文章になるのか。

これは大変に難しいです。

理解の程度が浅いと、どこかから借りてきたような知識を振りかざすだけの文になってしまいます。

なぜそのようなプロットをたてたのか。

基本の部分を本人にきちんと考えてもらうというのが添削のあり方です。

同じ表現を飽きもせずに使いまわしたりする生徒もいます。

文末表現がバラバラだった答案も何度か添削しているうちに、少しずつ形を整え読めるようになります。

そこからさらにもう数回書いてもらうのです。

ある程度までいったら、もう内容が絞り切れてしまうのでしょう。

限界です。

持っているものが全て外にあらわれた状態になります。

もうそれ以上に違う視点からは書けません。

その時点での実力の全てなのです。

同じテーマはそこで終わりにします。

次の課題に移るのです。

この過程を何度も繰り返していきます。

入試まで2~3か月、毎日やっていると、少しずつ成長していくのがよくわかります。

一言でいえば、世界に対する視野が広がります。

小論文を勉強することの醍醐味ですね。

塾で見てくれるところがあればそれもいいでしょう。

とにかく信頼できる指導者を見つけることです。

書きっぱなしは絶対にダメ。

最後は時間との戦いです。

慣れてきたら、制限字数、時間を意識してやってみてください。

この勉強は将来に必ず繋がります。

非常に有効です。

頑張って努力を続けてください。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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