【小論文・表現力】とてもと非常にを即刻カットし無駄な比喩を消す

小論文

眼高手低とは

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

蝉の鳴き声を聞きながら、今回も小論文について書きます。

季節の過ぎるのは本当に早いですね。

目の前にすぐ入試が迫ってきています。

しかしなかなか勉強ははかどらない。

正直に言うと、小論文なんてやってる暇はありません。

他の勉強が間に合わないのです。

安心してください。

それが普通です。

いざとなれば、火事場の馬鹿力でなんとかなるよと思ってませんか。

ところがそうはならないのです。

眼高手低。

この表現を聞いたことがありますか。

書きたいことはあるけれど、言葉にならないことをいいます。

ウソだと思うなら原稿用紙に向かって実際に書いてみてください。

言葉がうまく出てきません。

眼が高くて手が低い。

今まで眼は高いと思っていたのも、もしかしたら錯覚だったかもしれません。

案外知らなくてはならない事実もきちんと抑えておかなかったのではないですか。

これでは、本当に泣いても泣き切れませんね。

geralt / Pixabay

小論文は言葉です。

表現できなければ話になりません。

文章は簡潔に「である」調で書く。

それくらいは知っていますね。

しかし簡潔とはどういうことか。

少し踏み込むと、もうわからなくなってしまいます。

初心者ほど、大袈裟な表現を使うのです。

小論文はキャッチコピーをつくるのとは全く違います。

採点者の目にとまることなら、なんでもやってみようという態度ではダメ。

単文を積み重ねる

表現がくどいのは絶対NGです。

最初に言っておきます。

一番ダメなのは長い文。

これは最悪です。

主部と述部が対応していない。

間に逆接の接続詞や関係代名詞を入れたりすると、文章はいくらでも長くなります。

書いているうちに、主部に対応する文章がどこにあるのか、完全にわからなくなるのです。

実はこういう文を書いている人がたくさんいるのです。

採点していると、頭が痛くなってきます。

いったい何が言いたいんだ、はっきりしてくれ。

思わず叫びたくなります。

制限字数が決まっているのに、文章をダラダラ書いてしまうともうダメです。

文はできるだけ単文にすること。

短文ではありませんよ。

短文というのは短い文章です。

そうではなくて「単文」です。

主語があって述語があるという1番単純な形の文章です。

これをひたすら積み上げていくこと。

必要な時にだけ、接続詞を使えばいいのです。

特に初心者の人はこのスタイルを貫き通してください。

オーバーな表現は逆効果

受験生の中には、なんとか目立とうとするあまり、オーバーな表現をする人がいます。

これは絶対に避けてください。

完全にアウトです。

どんな表現があるのでしょう。

あなたも喋り言葉で使ってませんか。

例をあげます。

「マジ」「チョー」「めっちゃ」です。

これを会話文に入れると、最悪の表現になります。

leovalente / Pixabay

ごく親しい友達だけの間なら、許容範囲かもしれません。

しかしこの言葉ばかりを使っている人がいたら、どうですか。

知的な小論文を論理的に構成できる能力を持っているとは誰も思わないでしょう。

書き言葉もそれと同じです。

文章用の言葉としてよく出てくるものに「とても」と「非常に」があります。

この表現は実に便利です。

しかしどちらかといえば、感覚的な要素が強いのです。

どれくらいが「とても」であり「非常に」なのか。

はっきりとわかりません。

「チョー」「めっちゃ」と同じ効果しか持ちません。

この2つが出てきそうになったら即刻カットしてください。

なんの効果もありません。

私は非常に感動したと言われても、ああそうですかで終わりです。

どういう理由でなぜ感動したのかを克明に描写することです。

そこでこれだけのことを知った。

そのことが新たな感動を呼び起こしたというのならば理解できます。

小論文はそういう形式の文章なのです。

とにかく面倒くさいのです。

それでもみんなトライしています。

比喩表現も不要

小論文は論理優先の文章です。

逆にいえば、個人がなんとなく感じたという内容を求めてはいません。

その時「まるで~のように感じた」といわれても、だからどうしたのですかで終わりです。

内容に全力を投入しましょう。

あなたがその時どう思ったのがということを比喩表現でいくら説明してもムダです。

1番大切なのは論理です。

逆にいえば、それ以外はいりません。

小説ならば、その時の不安を必死に書き表現していくことが大切です。

読者にもそれを感じとってもらう必要があります。

心の中を少しずつ示しながら描写を進めるのです。

しかし論文にはそういう要素は全くありません。

詩的である必要はないのです。

それが簡潔に書くということです。

わかってもらえましたか。

初心者はなんとかして、自分の気持ちを表現しようとします。

それが邪魔なのです。

淡々と文章を進めてください。

余計なことを何も考える必要はありません。

ここに書いたことはごく常識的なことばかりです。

しかしそれも知らずに無手勝流で書き出す生徒が実に多いのです。

火事場の馬鹿力は通用しません。

きちんと練習しなければうまくなりません。

時間は限られています。

あなたの決めたタイムスケジュールの中に今日から小論文の練習時間も入れてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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