執着

暮らし

【能・道成寺】蛇体に宿った現世への執着が夕暮れの満開の桜に映える

能の演目の中でも「道成寺」は特別なものです。主役の1つが鐘です。100キロ近い鐘の中に入ったシテは、たった一人で鬼に変身しなくてはなりません。乱拍子と呼ばれる足さばきは、1人の能役者として生きていくための関門なのです。
落語

【鼠説・頼山陽】ものへの執着から抜けきれない人間を鼠に託した話

人間がものや人に寄せる執着心には醜いものもあります。しかしそうしなければ生きてはいけない事情もあるのです。頼山陽はそれを鼠に託して表現しました。もしかすると、自分自身の横顔をそこに見たのかもしれません。

【執着を断つ・不浄観】説話集『閑居友』に見る壮絶な修行とは

中世の仏教説話集にはものすごく壮絶な話が載っています。学校ではほとんど習いません。死者をじっと見るだけの不浄観と呼ばれるものです。この修行については谷崎潤一郎に『少将滋幹の母』という小説があります。読んでみて下さい。衝撃的です。
学び

【小論文・言語力】密度の濃い書き言葉への執着が読解力復活のカギか

小論文の添削をしていて感じることの1つは、書く力が衰えていることです。英語が主流の言語となった現在、SNSには十分に推敲された言葉がありません。経済優先の世の中で、言葉の力が確実に弱まっているのです。もっと書き言葉に執着する必要があります。