味わい

【山東京伝・内田百閒】不思議な味わいのある夢物語は師・漱石の筆致に似て

作家、内田百閒の世界は実にユニークです。今回は彼の夢物語『山東京伝』を読みます。この江戸時代の作家に弟子入りした男が見たものはなんであったのか。それを追いかけていくだけで、不思議な世界がそこにあらわれます。

【夏目漱石・硝子戸の中】短編の味わいここに極まれり【日常風景】

夏目漱石の短編『硝子戸の中』は日常の風景をそのまま綴った作品です。次々と起こる毎日の出来事をじっと見守る1人の作家の視線がやさしいのです。末期の目に満ち溢れています。そこに繰り広げられる出来事が、今の時代にも繋がっているような気がします。
落語

【絵高麗梅鉢・猫の皿】小品の味わいがじわりと染みる落語の名作

落語「猫の皿」は実に味わいの深い名品です。フランス小噺のエスプリも感じられます。人間の欲望には限りがなく、自分で抑制することは難しいのです。人間の一面を見事に描いたのがこの落語です。笑いながらも「小欲知足」の精神を味わってください。