本 【鞄・安部公房】青年が抱えて苦しんだ鞄の持つ意味は【寓意のナゾ】 安部公房の小説はどれも寓意に満ちています。その意味を探りながら読まないと、何が書いてあるのかよくわかりません。この『鞄』という短編も実に難解です。どういう意味があるのか、あなたも考えてみてください。 本
本 【山東京伝・内田百閒】不思議な味わいのある夢物語は師・漱石の筆致に似て 作家、内田百閒の世界は実にユニークです。今回は彼の夢物語『山東京伝』を読みます。この江戸時代の作家に弟子入りした男が見たものはなんであったのか。それを追いかけていくだけで、不思議な世界がそこにあらわれます。 本
本 【無常ということ・小林秀雄】常なるものを見失った現代人に必要な心構えは 文芸評論家、小林秀雄の評論『無常ということ』を読みます。名文の誉れ高い内容です。最初に古典の文章を取り出し、そこから人生や歴史をどう考えればいいのかというテーマを展開していきます。内容に飛躍があり難解です。 本
学び 【文学の仕事・加藤周一】科学技術の時代に文学が必要な理由【小論文】 立川高校の推薦入試に出題された文章です。筆者は評論家の加藤周一氏です。彼は文学の役割について考えました。科学技術の時代にどこまで文学は意味を持つのか。人間の生きる意味を考える手段としての役割を考察したのです。 学び
本 【完璧・十八史略】故事には歴史の重みと人の魂を鼓舞する知恵がある 完璧という故事はどのようにして生まれたのか。中国の歴史を読み解かなくてはなりません。『十八史略』の中にありました。「和氏の璧」と呼ばれる宝を欲しがった秦とそれを取られたくなかった趙との心理作戦の様子が元だったのです。 本
本 【那須野・奥の細道】眩しい光の中に突如あらわれた撫子のような少女は 『奥の細道』の中の「那須野」の段を読みましょう。ここで特筆すべきなのは、突然登場するひとりの女の子です。名前をかさねと言います。そこから重ねるという文字を連想し、さらに撫子の花を思い浮かべました。句と共に鑑賞してみてください。 本
ノート 【褒めるということ】カウンセリングの手法「コンプリメント」の難しさ カウンセリングの基本的な手法の中にコンプリメントがあります。これは褒めるということです。しかし誰もがうまく褒められるワケではありません。やり方によっては、相手を不愉快にしてしまうこともあるのです。そのうまい使い方を考えてみましょう。 ノート
本 【朋党論・欧陽修】君子と小人の党派を見分けられる君主が天下を治める 欧陽修という文人が書いた『朋党論』 について学びましょう。 君子と 小人の 党派をどのようにして 見分けるのかということです。優れた人々が率いる党派を見定められなければ、皇帝は天下を治めることができません。しかしその難しさはどれほどか。 本
本 【月やあらぬ・伊勢物語】梅の盛りに恋人のいない屋敷を訪ねた男の感傷 『伊勢物語』は在原業平が主人公だという歌物語です。美しい表現に彩られた作品は、能などにもなっています。ここでは藤原高子との恋に破れた主人公が、かつての逢瀬の場所を訪れ、歌を詠むという設定になっています。 本
ノート 【戦争と平和】人間はなぜ性懲りもなく戦争を続けるのか【エントロピー】 人間はなぜ戦争をするのか。これは永遠のテーマですね。誰もがそれはいけないことだと知りながら、知らずしらずのうちに、熱狂にまきこまれていくのです。そこには何があるのでしょうか。ここではエントロピーの考え方を1つの材料にしてみます。 ノート
本 【貧窮問答歌・山上憶良】万葉の歌人は農民の貧しい暮らしに声を荒げた 山上憶良という万葉歌人は不思議な立ち位置にいますね。他の歌人とは明らかにみているものが違います。この『貧窮問答歌』は憶良でなければ、絶対に書かなかった作品だと思われます。苦しい農民の暮らしを赤裸々に綴っているのです。 本
本 【桜が創った日本】視点を反転させてみたら桜が人間を操る構図が明らかに 日本の風土に桜の花は見事にマッチしていますね。しかしその品種の80%がソメイヨシノだというのも驚きです。第2次世界大戦の後、急激に増えました。接ぎ木や挿し木でないと、植えられないという厄介な品種なのです。なぜこんなにふえたのでしょうか。 本
本 【韓非子・猿の彫り物】バラの棘に鑿の刃は立たず【法こそが国の基軸】 『韓非子』を扱います。法家の代表的な本です。ここでは1つのユニークな例え話を持ち出して、いかに国家を運営することが困難であるのかということを示しています。ポイントは猿の置物です。こんな話が中国にはいくつもあるのです。 本
ノート 【語彙力を増やす】人間関係を豊かに築くために言い換えのセンスを磨け 語彙力を身につけるためには、さまざまな方法があります。活字を読むというのは絶対に必要ですね。さらに言い換えを学ぶことです。別の表現なら、何が使えるのか。それを考えるだけで、言葉の力が違ってきます。 ノート
本 【人間の尊厳・石原吉郎】シベリア抑留から生還するまでの日々の記録【共生】 詩人の石原吉郎を御存知ですか。派手な人ではありません。しかし人間の存在をギリギリまで追いつめた文学者です。第2次世界大戦の後、シベリアに抑留され8年間を過ごしました。その間に人間の本性を見てしまったのです。 本
ノート 【IPS細胞と生命倫理】科学は問い続けても正解の出ない神の領域に入った iPS細胞の出現によって、人類は新しいフェーズに達したとよく言われます。つまり人間の持つ能力を超え、神の領域に入りつつあるということです。キメラ動物の存在などもその1つです。あるいは生殖治療の可能性もあります。 ノート