【AIの未来予想図】文字にすると自分の考えが驚異的に前進する

学び

思いついたことを

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は前回に続いて、小論文の基本的なステップを解説します。

メモをとりながら課題文を読むという方法については何度も説明してきました。

これは絶対に守ってください。

それだけでかなり論理の構成がはっきりします。

特に評論文の場合は基本的な流れにそっていけば、必ず理解できます。

その時に「思いついたこと」を必ず書き留めること。

疑問点も大切です。

順序はどうでもいいです。

とにかく立ち止まったところがあったら、そこを大切にしてください。

文章を書く時の大きなヒントになります。

筆者の論点に対しての疑問だということもあります。

あるいはこのままの論点を進めると、自分の考え方とはズレてくるということもあるでしょう。

もっといえば副作用が出てくる可能性がないのかということです。

必ず失敗するのが目に見えている論点だということもあります。

もしそういう視点があれば、Noを突きつけて文を書くことができますね。

そこまでいかなくても、途中で軌道修正を図ればもっといい内容になるということもあるでしょう。

筆者は必ずある前提にたって文章を書いています。

それが基本的にアヤシイということもあります。

とにかくメモをとり、下書きをしながら文章をまとめてください。

立ち位置

小論文は自分の現在の位置を示すためのものです。

明らかに筆者の立場とは違ったらその方向に進めばいいのです。

しかしほとんど同じ考えであっても、加筆すればもっと理解しやすくなるということもあるでしょう。

その時は論点をさらに前へ進める必要があります。

書くということは本当に不思議な作業です。

やってみればわかります。

確実に成長するのです。

今まで考えたこともないといった新しい視点が突然出てくることもあります。

これがまさに文章を書くことの醍醐味なのです。

よく小説家はいいます。

まさか主人公がこんな結末を迎えるとは思ってもみなかった。

そんな馬鹿なことがあるかと思いますよね。

なんといっても書いているのは作家本人なのですから。

しかしこれはあながち嘘ではありません。

こうしたことが実際にあるのです。

自分が予測した結果とは違うところにストーリーが動くということはしばしば起こることです。

そうでなければ、作者は面白くないとも言えます。

小論文も事情は全く同じです。

書いてみるまで本当のところはよくわからないのです。

だから面白い。

言葉にならないカオスの状態が、しばらくすると文章として結晶するのです。

もちろん、論理の展開に無理があってはNGです。

それは当然のことです。

その地点をさらに乗り越えて、自分の新しい世界を作り出す可能性が誰にもあるのです。

書くことが大切

しかし書かなければ何も始まりません。

そのための最初のステップをどうすればいいのか。

ここが1番難題なのかもしれません。

うまくいくと、成長のための糧になります。

大学へ行っても社会に出ても、これくらい役に立つスキルはないのです。

Activedia / Pixabay

しかしそれを自分のものにするには、長い時間と忍耐強い学習が必要です。

なかでもキーワードを自分のものにすることが最も大切でしょうね。

難解な哲学的ワードだけを覚えればいいというものではありません。

時事的な内容に関して、鋭いアンテナをつねに張っていなければなりません。

頻出語句や単語をまとめた本などもあります。

しかしそれだけを読んで全部を理解することには無理があります。

少しずつ内容を咀嚼しながら、噛み砕いて自分のものにしていく必要があります。

これは一生の財産になります。

具体的な課題文の1部をあげてみましょう。

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AIが普及する理由は、ひとにやらせるよりも効率がよいという点にある。

ロボットが普及する理由は、その仕事が人間にできても、人件費よりも安価にできるからである。

AIは人をパラダイスに住まわせるためにではなく、結果的には、人をこの平凡な惑星から放逐するため

に普及しているのである。

AIの未来

この文章を読んで考えたことを800字でまとめなさいという問題です。

実際の問題はもっと長いです。

当然のように課題文にはキーワードが散りばめられています。

管理社会、プライバシー、機械、支配、人類、未来、意識、クラウド。

いくらでも出てきます。

筆者の立場がどこにあるのかをまず検証する必要がありますね。

基本的な考え方は「AIには忖度がない」ということです。

正しさを判断するのではなく、基本的に効率を追求し続けるシステムだということです。

機械の正しさは精確に作動することのみ。

バグがないことこそが優秀さの証しです。

そこに感情を持つ人間が絡んだ時、どのようなことが言えるのか。

あなたなら、何をどのように書きますか。

人間の未来について、どんな展望をAIとともに組み立てることができるのか。

それを考えて書いてください。

どの視点に立ってまとめればいいのか。

次の時代を予見できないことの寂しさでしょうか。

人間の数を上回るAIのシステムでしょうか。

たとえ危機が訪れても、AIは忖度なく効率を優先して計算を続けるでしょう。

その結果として人間に未来がなくなったとしても、それが唯一の結論であればそこへ突き進むに違いないのです。

そこまでの悲観論をイメージできないケースも当然あります。

800字くらいすぐに一杯になってしまいますね。

ここで構成力を試されるのです。

どこへ結論を持っていくのか。

じっくり考えトライしてみてください。

AIの未来については2022年も続けて出題されると予想しています。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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