【小論文】YesでもNoでも課題文から離れる執念を燃やし続ける

小論文

自分らしさ

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は文章の方向性について考えます。

最後までついてきてください。

小論文の難しさはいつも自分らしさを全面的に出すことです。

課題文と同じことを書いたのでは絶対にNGです。

筆者の意見に賛成の場合はとにかく難しいですよね。

なにしろYesなんですから、どうしたって課題文から離れることができません。

全部書いてある通りですという書き方だって可能です。

しかしそれではダメ。

繰り返しばかりになるのなら、やめた方がいいです。

無理しても反論をするくらいの勇気が必要です。

Yesの時、それではどうしたらいいのか。

補足と修正です。

課題文にはすべての内容が網羅されているワケではありません。

必ず足りないところがあるはずなのです。

そこを足してあげましょう。

筆者はこういう気持ちでこの文章を書いたのだということを読者に代わって説明するのです。

別の表現をうまく使えたらいいですね。

言葉が違えば、印象がガラリとかわります。

新鮮な印象になるのです。

800字程度しか字数がありませんから、入り口の看板が少し違うだけで変身できます。

そこへさらに補足がつけば、Yesの文であっても、決して繰り返しにはなりません。

違う角度から

文章をさらに個性的にする方法もあります。

それは筆者の論点に対して、たとえばこういう場合はどうだろうかと、違う角度からの解説を試みるのです。

そうすると、視点が変化しますね。

ちょっと方向がかわっただけでもまったく違う印象になります。

ある行為をする立場が主だとしたら、それを受ける側にするのです。

ジェンダーギャップについて論じてあったら、男性の立場と女性の立場では全然論点がかわりますよね。

さらに会社の上司、同僚ではどうでしょう。

取引先の人からみたらどうですか。

あらゆるケースを想像してみてください。

オフィス、工場、店舗などでの仕事の形態によっても見方がかわるかもしれません。

それに男女の視点を加えると、新しい流れがでてきます。

学校も同様です。

生徒だけではなく、先生、保護者の視点を付け加えてください。

あるいは教育委員会はどうでしょうか。

教師を1つにまとめてしまうのではなく、管理職と担任との差もあります。

どちらを主体にするかによって、見え方は全く違ったものになります。

とにかく少しでも課題文から離れましょう。

べったりでは評価があがりません。

体験談にしてもそうです。

例話をうまく使うというのは並々でない技量を必要とします。

普通の人間にとって、それほどに目を引くような体験というのはそう多くはないものです。

それだけに、あまりそこに集中すると、かえって平凡なことを大袈裟に述べているとい
う印象を強くしてしまうだけです。

逆効果になってしまうのです。

Noは万全か

反対にNoだからといって、鬼の首でもとったように真反対から大上段にかぶって切り込む
という態度には無理があるでしょう。

その場合でもどこまでが反論かをきちんとわかりやすく書くことです。

立場が強いからといって、いい気にならない方がいいです。

あまりやりすぎると、足をすくわれます。

確かに筆者の文章からは次のようなことが言えるかもしれない。

しかし私はこの点にはどうしても賛成できないといったように、一歩下がって文をまとめる
方法をとった方がいいでしょう。

この場合、一番大切なのは反対している理由です。

根拠が最も肝心です。

geralt / Pixabay

採点者はここを集中的に見ます。

内容が曖昧だと、一気に評価が下がります。

採点者を甘くみてはいけません。

長年にわたって第一線にいるということは、それだけの知識や経験を十分に持っているということなのです。

それほど簡単にあなたの反対意見を認めてくれるとは思えません。

そこに切り込むのです。

覚悟をきちんと持つことが大切ですね。

そのためには正確な知識が必要です。

曖昧な論点を振りかざすくらい危険なことはありません。

あなたが大学に入学した後、きちんと勉学を続けられるのか。

論理的に文脈を整理し、構成できる人なのか。

それを見たいのです。

だからこそ、Noで始めたら、最後まで貫かなくてはいけません。

真っすぐに進む

1度Noで始めたら、途中で折れてはいけません。

よくそういう小論文を書く人がいます。

途中までは勢いがあったのに、なんとなく自信が消えてしまうのです。

どこへ論点がいくのかわからなくなってしまうと最悪です。

最初にある程度メモをして、この方向へ突き進もうと決めてください。

ちょっと疑問がでてくると、どうやってまとめたらいいのかわからなくなってしまうのです。

これが1番怖いですね。

どうしたらそうならずに結論まで持っていけるのか。

そこが最大のポイントです。

練習あるのみです。

何度でも書きましょう。

どんなテーマでもいいです。

過去問を書いて先生にみてもらう。

この繰り返しを試験までやってください。

そんなことはとてもできないというのであれば、小論文型の試験は諦めてください。

一般受験に切り替えた方がよほど楽です。

よく試験がないからという人がいます。

とんでもありません。

小論文型の試験は大変なのです。

その覚悟を持って勉強してくださいね。

課題文から少しでも離れ、新機軸を出す。

これに尽きます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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