小論文の練習!制限字数の9割書き切るパーツ型論法

学び

制限字数のルール

みなさん、こんにちは。

小論文添削経験20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は最初に制限字数について考えます。

誰だって課題文を読んで、さあ書こうと思うのです。

構成も考えます。

どこで段落をつけたらいいのかも悩むのです。

しかし一旦書き出してはみたものの、なぜか途中でストップ。

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言葉がちっとも頭に浮かんできません。

どうしたらいいのか。

見当もつきません。

完全に立ち往生ですね。

字数についての基本原則は以下の通りです。

制限字数の9割以上を埋めること。
8割以上は許容範囲だが、できたら9割は欲しい。
それ以下では大幅減点。
逆に1文字でも制限字数を超えたら0点。

いろいろな問題集にそう書いてあります。

ウソじゃありません。

しかし今はそんなことを考えている余裕はないのです。

とにかく9割を超えなくては…。

これが目標です。

しかしなかなかそのラインに達するのは大変です。

途中で文章が書けなくなった時の切なさというのは、言葉にならないものです。

あっちの席からもこっちの席からも鉛筆を走らせる音が聞こえてきます。

どうやったら9割を超えられるんだろう。

どんな課題文が出ても、その場で書けるだけの実力をどうしたら身につけられるのか。

もう一度確認しましょう。

制限字数が800字なら、720字以上は書く。
1000字だったら、900字以上は書く。

まずこのことを約束してください。

ではどうやったら書けるのか。

その方法をここでお教えします。

必ず、あなたにも書けるようになります。

安心してください。

パーツに分ける書き方

課題文が出て、それに対して小論文を書くというのが今の入試の主流です。

大多数の試験がこのパターンです。

どのようなテーマのものかによって、書きやすいのと書きにくいのがあります。

これは半ば運だと思ってください。

しかし試験までに、さまざまなテーマについて勉強はしておかなければいけません。

ここではまずそれ以前の話です

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小論文はどういうパーツでできているのでしょうか。

少し詳しく見てみます。

大きく分けると以下のようになります。

問題提起、主張、理由、説明、具体例、引用、対比、譲歩、結論

この全てを使う必要はありません。

基本的には最初に何を書き、次に何を書き、最後に何を書くかという構成で十分です。

それでもたりない時に、いくつかのパーツを入れていくという手段を使いましょう。

では最低限必要なものとは何でしょうか。

問題提起、意見提示(主張)、展開(理由説明)、結論

この4つのパーツさえ揃っていれば、小論文の形になります。

一番この中で大切なあなたらしさの出るところはどこか。

当然、主張と理由説明になります。

特に展開の部分は、半分以上のエネルギーを使って、相手を説得する一番重要なところです。

なぜそう思うのかという理由を論理的に書かなければいけません。

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採点官はこの部分を重点的にみます。

ここでどの程度の国語力を持っているかがわかるのです。

半分以上の字数を費やすということは、ここが書ければあとのパーツはある程度汎用性のあるものを使い回すことでなんとかなります。

たとえば最初の問題提起の書き方は「課題文の筆者は~のように述べているが、それで正しいのだろうか」というパターンです。

この部分はこの書き方をなんとか頭にいれてください。

何度も似たような形式を模倣している間に、ある程度形が整ってきます。

ここでエネルギーを使ってはいけません。

あくまでも問題はここにあるが、それは本当なのかという論点で、この文章を書きますというアドバルーンをあげるだけです。

ただし課題文を繰り返したりしないこと。

最近の新聞を読むと~のようなことが書いてある記事が多い。この課題文との類似性も見受けられる。しかしそれはどういう意味を持つのであろうか。そのまま鵜呑みにして、正しいと決めつけてもいいのか。この視点をさらに深めてみたい。

この文のようにあくまでもどこが問題なのかを自分なりに分析しようとしている姿勢を見せればいいのです。

このパーツの書き方は覚えてしまってください。

それが一番手っ取り早いです。

次のパーツはYES、 NOをはっきりさせるところです。

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この部分については、じっくり課題文を読んで、どの立場から書いたらいいかを考えてください。

ここで失敗すると次の段階へ進めません。

視野の広さを訴えるところです。

単純に課題文の意見に迎合しないこと。

しかし反対できないテーマもあります。

その場合でも真正面からYESをいうのではなく、確かにこうした面からは肯定せざるを得

ないが、問題もないわけではないといったような別の切り口を少し見せることが大切です。

ここで視野の広さをみせて字数稼ぎをするのです。

だからといって、自分の拙い経験や見聞を広げ、文字数を稼ぐ手口はダメです。

採点者の先生達にはすぐにばれてしまいます。

いくら字数を稼ぐといっても、ここであまりに字数を使うと、次の展開部で書くことがなくなってしまいます。

バランスをよくみましょう。

このパーツをうまく乗り切ると、次の理由説明に勢いが出ます。

自分の立場を明確に

いよいよ最も大切なパーツです。

ここが最大の評価獲得ポイントになります。

なぜ自分が課題文に対してYESの狼煙を上げたのか。

あるいはその反対なのかということを説明しなければなりません。

うまく利用すれば、自分の体験や、読んだ本の話なども入れられます。

ここで字数を稼ぐのが常道でしょう。

ただし論理性を最大限に生かすこと。

残念ながら今の高校では、そうした授業をほとんどやっていません。

論文を書くという経験もほとんどないのが実情です。

それだけに論理性重視と言われてもかなり苦しいでしょう。

基本は国語力です。

それを支えるものは読書です。

興味、関心を常にもって好奇心を前面に出してください。

そのための手段としては新聞を一番に勧めます。

小説ではなく、新書を読んでください。

高校生用に出版されている新書もたくさんあります。

ぼくがかつて授業をしていた経験では、新書というものの存在を知らない高校生がたくさんいました。

図書館や書店に立ち寄り、新書の棚を覗いてください。

そこは知の宝庫です。

Hushamath / Pixabay

ある程度本を読んでいると、体験が全くなくても、この部分のパーツ意識さえあれば、十分に字数を稼げます。

全く書けないということは、つまりこの部分の基礎知識が決定的に足りないのです。

環境問題、AI革命、少子高齢化、ジェンダー、豊かさ、グローバル化

どのテーマが出ても、自分の考えをまとめられるようにしておくことです。

そうすれば、制限字数の9割は確実です。

ポイントはまさにここにあります。

結論は簡潔に

小論文に文学的素養はいりません。

レトリックはいらないのです。

全体を見渡して、簡潔に結論を書きましょう。

ここで余韻を残して文章を終わらせる必要はありません。

淡々と文を閉じればいいのです。

YESかNOで文を書き始めたのですから、その書き出しとこの終わり方に矛盾があってはいけません。

必ず自分の意見をきちんと述べ終えたというエンドマークが必要なのです。

このパーツはそういう意味で、確認の意味しかありません。

geralt / Pixabay

できたら見直してください。

9割を超えましたか。

どうしてもダメだったら、最低8割以上の線で引き下がらざるを得ません。

入試はほとんどが似た成績の受験生同士の戦いです。

ほんのわずかの差で合否が決まります。

誤字脱字はありませんか。

誤った漢字も数個なら大目に見てくれるかもしれません。

しかし厳密にカウントするところもあります。

採点の仕方は各大学がどのような学生を確保したいかによります。

大まかな基準はあるものの、厳密にこれといった決まりはありません。

減点されないために、最後まで書きましょう。

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ただし1字でも超えてはいけません。

できたら声を出して読む。

可能なら先生に添削してもらいましょう。

「てにをは」のミスはありませんか。

こうしたパーツ型論法の練習を繰り返していけば、必ずうまくいきます

合格するその日のことを信じて頑張ってください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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