平泉

『奥の細道』の中でも「平泉」はとりわけ表現のみごとな段落です。その理由は背景に杜甫の詩を連想させるからです。「春望」の世界をイメージしながら、この段を読むと、格別の感慨があります。松尾芭蕉は有名な俳句をここでつくりました。

松尾芭蕉は尾花沢から戻り山形県の立石寺に立ち寄りました。『奥の細道』に所収されている俳句の中でも屈指の作品がここで生まれたのです。その経緯をみてみると、俳聖と呼ばれた芭蕉がどれほどに推敲を重ねて、この句が生まれたのかがよくわかります。