土佐日記

【黒鳥のもと・土佐日記】長い船旅の間には歌人の横顔が色濃く【紀貫之】

紀貫之の『土佐日記』にはさまざまな段落があります。今回はよく知られた「黒鳥のもと」をとりあげましょう。55日間の旅の間にはいろいろなことがありました。天気のいい日は比較的楽に船が進んでいったのです。しかし海賊は怖かったと思われますね。

【阿倍仲麻呂の歌・土佐日記】日本に帰ることができなかった文人の望郷心

阿倍仲麻呂といえば、遣唐使の時代の人です。その人が詠んだ歌をになぜ紀貫之は『土佐日記』ら載せたのか。その秘密がわかれば、この話はなかなか味のある内容になります。当時の船旅のつらさを想像することが大切ですね。

【土佐日記・紀貫之】仮名で書きたい一心から女だと名乗った男の日記

古今集を編纂した紀貫之の日記を読みましょう。当時の男性貴族はみな漢字で日記をつけました。しかし彼はなんとしても柔らかな仮名を使ってみたかったのです。そこで自分が女性だという仮託のもとに、全てひらがなで日記を著しました。ユニークですね。
暮らし

【人は無力】できることはただ敬虔な祈りを捧げることだけです

古文を勉強していると、多くの人の祈りのシーンに遭遇します。かつては人の死がごく身近にありました。今日でもコロナ禍の中、不意に人が亡くなってしまいます。人間にできることはいくらもありません。ただ祈るだけです。自らの中にいる神や仏を考えてみました。

【歌詠みの系譜】古本説話集9話に紫式部と伊勢大輔の魂の交感を見た

古本説話集第9話に紫式部と伊勢大輔との間に行われた魂の交感の様子が出てきます。歌を詠むということは歌人にとって命と引き換えにするだけの厳しい作業でした。その重責を短時間で見事にやってのけた話の中に、歌人の系譜が見えてきます。みごとな話です。