不確実な時代
みなさん、こんにちは。
元都立高校国語科教師、すい喬です。
夏休みが始まりました。
少し前までは30度を超えると暑いといっていたのに、今では35度が基本です。
そこからプラスマイナス何度という世界になりました。
いずれ、40度が標準になる時代がやってくるかもしれません。
海水温が上昇し、気候が驚くほど変わりました。
農業も漁業も以前とは全く違う様相を呈しています。
気温が高すぎて、この時期、葉物はつくれません。
この熱波の下でできるのは枝豆だけだと、新聞に書いてありました。
今まで獲れていた魚や貝も消えつつあります。
ホヤなども全滅に近いそうです。
海水の温度が高くなり、餌になるプランクトンが消滅したのだとか。
人間はこれから何を食べていけばいいのかさえ、はっきりとはわからなくなりつつあります
「SDGs」の大きな目標をたててはみたものの、食糧の調達は難問中の難問なのです。
これからの時代は、何がおこるかわかりません。
たった1社がつくっていた危機管理アプリを世界中で使っていたために、昨日は飛行機がほとんど飛べなくなってしまいました。
本当にすごい時代になりました。
自分の頭で考えられる人だけが、なんとか生き残れるような気さえします。
AIがあるではないかといっても、それを使いこなすには、確実な処理能力が必要です。
システムの全体像が見えていなければ、世界はあっという間に、ブルースクリーンに覆われてしまうのです。
世界標準とは
不確実な時代を支えるものはなんでしょうか。
少し考えてみましょう。
やはり知識でしょうか。
ブログマティックな技術なのか。
現在、小学校から採りいれられているプログラミングや英語かもしれません。
あるいはもっと人間を根底から支えている哲学の可能性もあります。
これからも勉強はもちろん必要でしょうね。。
知らないことを学ぶのは苦しい反面、楽しいことでもあります。
確かに時間もかかるし、面倒臭いです。
試験があったり、つらいことのイメージが先行してしまいます。
しかし世界は想像以上に広いのです。
さまざまな人がいます。
多様性に満ちているのです。
以前、少し毛色のかわった本を読んだことがありました。
ご紹介しましょう。
北川智子氏の『世界基準で夢をかなえる私の勉強法』という本です。
どこかできいたことのある人だと思って読み始めたのです。
しばらくして、やっと思い出しました。
かつて読んだ本の著者だったのです。
『ハーバード白熱日本史教室』(新潮新書)がそれです。
当時まったく人気のなかったハーバード大学での日本史の授業を、たくさんの学生でいっぱいにした伝説の人です。
授業の仕切り方がすごいのです。
学生のプレゼン主体のインタラクティブな授業が中心です。
もう先生が教壇に立って話をし、質問をする時代ではない。
彼女はそう断言してます。
失敗の意味
すごい人がいるものですね。
北川氏はカナダのブリティッシュ・コロンビア大学で数学と生命科学を専攻し、同大学院でアジア研究の修士課程を修了。
その後プリンストン大学で博士号を取得しました。
専門は日本中世史と中世数学史です。
2009年より3年間ハーバード大学で教鞭をとり、学内でティーチング・アワードや「ベスト・ドレッサー賞」も受賞したのです。
現在はイギリスに拠点をうつして活動をしています。
読んでいると勇気が出てきます。
彼女は失敗をしても、それが世界にとってどんな意味があるのかを考えるのです。
すると、なんの意味もないという結論に毎回達したそうです。
それならばすぐにその失敗を忘れることにしたのです。
そういう荒技のできる人です。
勉強の仕方もすごい。
大学院の論文を書いている時、気がついたら5日間が過ぎていたとか。
その間、何を食べたのかも覚えてないそうです。
いくら勉強に熱中したからといって、人間はそんな風になれるものなのでしょうか。
そこまでいかなければ、本当の勉強にはならないということなのかもしれません。
一言でいって超人的なのです。
彼女は日本にいる時から語学ができたわけではないそうです。
ではどうやったのか。
それが今回のタイトルにつながっているのです。
カジュアルにエンドレスに
「カジュアルにエンドレスに」ということに尽きます。
とにかく続けること。
そして力まないこと。
生活の中に勉強のリズムを落とし込んでしまうことが1番大切だ、と彼女は書いています。
いつも池の表面を見ながら、単語を覚えたそうです。
時に浮かび上がる虹がきれいだったとか。
カナダの大学に入学した頃のスケジュールが載っていました。
24時間カフェでの勉強時間が、月と水は16時~20時、火と木は16時~26時だったそうです。
人間はやろうと思えば勉強できるものなのです。
世界を標準にしているからといって、特別なことは何も必要ありません。
基本は自ら動くことです。
他者の持っている良いところを真剣に盗み、真似をし、壁にぶつかったら、そこから修正を加えて先へ進む。
彼女のすごさは、日本という小さな枠組みの中におさまらず、英語ができないのなら語学学校に通えばいいと、道筋をつくってしまうところです。
それも留学しながら、並行して続けられる精神力にあります。
確かにリスクの高い方法です。
最後は自分を信じるということなのでしょう。
そのためには、他者を冷静に観察し、可能なところはどんどん吸収していくことに尽きるのではないでしょうか。
真似をしろというのはありません。
やろうと思ったら、そこから突き抜けるために盗むのです。
すぐに自分の方法論へ落とし込むことのできる人ならば、こうした生き方や勉強法も可能なのではないでしょうか。
五感をフルに使うことです。
そうすれば、勉強はきっと無限の成果をあなたの前に広げてくれます。
自分に素直であること。
これがそのための唯一の条件です。
肩に力を入れてはいけません。
軽いフットワークをキープしながら、続けることの大切さを覚えておいてください。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。