「令和7年度国際高校IB小論文」生成AIアプリを使って解答を試みた

小論文

国際高校IBコース

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は都立国際高校IBコース小論文の入試問題を新しいアプリにかけて、どの程度のことができるのかを検証してみました。

Googleが開発した生成AIアプリ「NotebookLM」はまだそれほどに普及はしていません。

しかし一度使ってみると、その力のすごさがよくわかります。

一緒に試してみましょう。

ちなみに「IBコース小論文」といわれてもなんのことかわからない人もいることでしょうね。

都立国際高等学校は、目黒区にある国際学科プログラムのある高校です。

ご存知ですか。

多くの帰国子女や在日外国人が入学可能なので、さまざまな背景をもった生徒が集まります。

英語教育の充実度では日本屈指と言われているのです。

平成元年、国際学科の進学校として開校しました。

ちなみにインター校ではありません。

Wokandapix / Pixabay

都立の高校です。

大学入試合格実績も非常に高いです。

英語の授業はレベル別に分けられており、オールイングリッシュと海外出版物を用いた授業で英語力を徹底的に鍛えられます。

その中でもIBクラスは少人数の特別編成で、入試形態も別枠なのです。

国際バカロレアプログラム(IB)という言葉を耳にしたことはありませんか。

高度でバランスの取れた世界水準のカリキュラムです。

英語での授業が基本で、外国の大学へ進学したい生徒にとっては恰好のプログラムといえます。

入試内容は次の通りです。

英語筆記試験、面接
数学活用能力検査
小論文
個人面接
調査書

都立国際高校のIBコースは、第1に英語力(英検準1級相当)が求められます。

中学校段階でこの実力を身につけるためには、よほどの勉強が必要です。

募集生徒数は20名です。

9月入試でも若干名受け付けます。

今回は令和7年度4月入学者希望者に出題された小論文の問題を扱います。

過去3年間の入試を検討した結果、グラフや数値読み取り問題以外は出題されていませんでした。

ネットに問題のPDFがありましたので、そこからアウトプットした次第です。

駅の無人化

問題は次の通りです。

国土交通省は令和4(2022)年に「駅の無人化に伴う安全・円滑な駅利用に関するガイドライン」を策定し、無人駅の安全性・利便性確保のための指針を示している。

資料1は平成13(2001)年と令和元(2019)年度における総駅数と無人駅数を示している。

また資料は2は令和元(2019)年度における一日あたり平均利用者数別に見た駅の総数と、それぞれの無人駅の割合を示している。

資料3は駅の無人化によって生じた課題への対応策の例である。

資料1、2から読み取れる課題を1つ述べなさい。

次に資料3を参考にして、あなたの考えた課題をどのように解決することができるか解決策を述べなさい。

その際、資料3に掲載されている事例とは異なる解決策を述べること。

グラフが示されているので、そのままの形でここに掲載します。

ファイルはPDF形式です。

グラフをよく見て自分なりの解答を考えてみてください。

ポイントは問題文の指示を正確に守ることです。

その際、数字を正確に読み取れなければ、それで終わりです。

1番大切な点は、変化を見逃さないことです。

数字が動かないところは飛ばしましょう。

どこからどのようにどれだけ変化したのか。

その数字をすばやく追いかけることです。

資料1からは無人駅が増えていることを見逃してはなりません。

資料2からは駅の96%が無人化している事実をチェックしてください。

資料3からは独自のアイデアをどう自分なりに処理するのかがポイントです。

地方の無人化の中で見過ごしているかもしれない課題と可能性を探し出すことです。

毎年、競争倍率が5倍を超えているので、他の受験生と同じようなことを書いただけでは、アピールしません。

独自の経験や視点が必要な所以です。

地域社会に自ら問うていく視線が大切なことはいうまでもありません。

2025_essayquestion

入試問題

NotebookLMの利用

今回、新しいグーグルのソフトを使って、解答への試みをしました。

どの程度のことが可能なのか。

ぜひトライしてみたかったからです。

さっそく問題のPDFをソフトに読み込みます。

すぐに生成AIのエンジンが動きだしました。

解答例を1つ、制限字数の600字で書いてもらいました。

それが次の文章です。

読んでみてください。

合格答案になっているでしょうか。

もう1つは解答とともに、会話でのまとめをつくってもらったことです。

数分間かけて6分くらいの会話ができあがりました。

同時に聞いてみてください。

会話中で、何がこの数字の意味なのかを分析しています。

ポイントは最後の部分でどうオリジナリティを出すのかに尽きるかもしれません。

かなり広い視野がないと、突き抜けた解答は難しいようにもみえます。

参考までにここに添付しておきます。

解答例

無人駅の増加傾向は顕著であり、資料1によると2001年から2019年にかけて無人駅数が増加していることがわかる。

特に資料2からは、利用者の少ない駅ほど無人化率が非常に高い実態が読み取れる。

この状況は、利用客、特に高齢者や介助が必要な人々にとって、駅での適切な案内や緊急時のサポートが不足するという深刻な課題を引き起こしている。

駅に係員が不在であることで、バリアフリー設備の利用補助や、不慣れな利用者への対応、あるいは異常発生時の初動対応など、安全性や利便性に関わる問題が生じやすいと考えられる。

この課題に対し、資料3で示されているような技術導入や施設改修、遠隔監視といった解決策とは異なるアプローチとして、地域住民による「駅サポートボランティア制度」を導入することを提案したい。

例えば、地域の高齢者や時間に余裕のある住民に、指定された時間帯に駅で待機してもらい、利用者の案内や乗降補助、困りごとの相談に乗る役割を担ってもらうのである。

この制度は、駅に人の温かみが加わることで、利用者が安心して無人駅を利用できるようになるという利点がある。

また、地域コミュニティとの連携を強化し、駅が単なる交通拠点ではなく、地域の交流の場としての機能を高めることにも繋がる。

このアプローチは、費用対効果も高く、持続可能な形で無人駅の課題を解決し、利用者の満足度向上と安全確保に貢献できると考える。

以上です。

あなたはどんな感想を持ちましたか。

別のアプローチをすれば、また違う結果が出たような気もします。

今後も別の問題でトライしてみます。

アップするまで、しばらくお待ちください。

今回も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

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