共感できる箇所
みなさん、こんにちは。
小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。
コロナ禍の毎日、どのように過ごしていますか。
いつまでも続くと思っていた夏休みも残りわずかです。
2学期が始まると、早いですよ。
あっという間に暮れになってしまいます。
その間にやらなくてはならないことが目白押しです。
推薦入試を受ける人は、もう成績も決まっているので、目標に向かうだけですね。
指定校型の推薦入試を受験する人は、校内推薦がとれるかどうかが最大の眼目です。
まもなく学校が始まると、1ヵ月もしない間に掲示されます。
もうしばらく雌伏の時ですね。
その間に実戦に対する勘を養ってください。
とにかく小論文を書いてみることです。
過去問をやってください。
最近は課題文型が圧倒的です。
評論や意見文を読み、600~1000字くらいを60~80分くらいの間に書き上げるのです。
やってみればわかります。
とても難しいです。
ポイントはテーマをきちんと把握できるかどうかにあります。
ここでほぼ合否が決まります。
全く何が書いてあるのか理解できないようでは無理です。
文章などまとめられるワケがありません。
基礎的な知識が最低限ないと、とても前には進めないのです。
課題文を読む時に大切なこととは何でしょうか。
問題提起
基本をおさらいしておきましょう。
小論文の眼目は「意見」「理由」「経験」「結論」です。
最初の意見の部分は問題提起などと呼ぶこともあります。
課題文の中で1番のテーマ何なのか。
それに対して自分はYesかNoか。
あるいはどちらでもなく中立的なケースもあるでしょう。
いずれにしても主題をきちんと掴まえなくてはいけません。
それにはどうしたらいいのか。
必ずこの方法を使って下さい。
キーワードは「共感」です。
文章の内容に共感できる箇所があるかないかを探し回るのです。
どうでしょうか。
ありましたか。
全くありませんか。
あったとしたら、それはどこですか。
どの部分が1番、自分にピッタリきましたか。
そこが今回の小論文の最大のキモです。
その箇所をマークしてください。
どういう点に共感したのか。
どこができなかったのか。
そこに課題文と自分が全面的に対応するパーツがあるのです。
もしピッタリだと思ったら、Yesの路線で進めばいいでしょう。
全面的に拒否反応の場合はNoで書き込んでいってください。
あるいはここはいいけれど、ここはどうしても納得できないというところがあるかもしれません。
その場合は1部修正という書き方があります。
理由が大切
当然のことながら、自分の意見を書いたあとで理由を示さなくてはいけません。
ここが採点者の最も重要視するところです。
なぜYesなのか。
なぜNoなのか。
明確に理由を説明しなければなりません。
「なんとなく」が最もダメです。
感覚的な文を書いていたら、小論文は上達しません。
皆がよく言っているからなどという論点で切り抜けることはできません。
あくまでも自分の考えを論理的に示すこと。
ここでほぼ半分以上の評価が決まります。
文章がきちんと書けている受験生の答案には誤字脱字もありません。
文字も丁寧に書けています。
ではどうやって理由を説明するのか。
共感するのなら必ずその理由があるはずです。
心の奥を覗いてください。
過去の経験の中に隠れているのかもしれません。
あるいはどこかで読んだ本の中に潜んでいるのかもしれません。
いずれにしても共感の根があなたの文章の真骨頂になるはずです。
ここで少しだけその経験を示すのもいい方法です。
ただし構成に気をつけましょう。
字数を稼いでしまいやすい箇所なので要注意です。
いい気になってはNGですよ。
全体のバランスを意識して下さい。
結論まで一気に
理由の段落がうまく書ければ、結論までは1直線です。
逆にいえば、理由が明示できない時はダメです。
つまり共感もなく反論もできないという時は要注意です。
それだけどこも響かなかったことを示しています。
内容の理解以前に、感じる心を持たなかったことを見せてしまうのです。
これは最悪です。
大学へ入ってさらに学びを続ける時、1番必要なのはなんでしょう。
それは複雑なものを仕分けて自分の世界へ引き込んてくるだけの包容力です。
分析力です。
この2つがなければ、いくら教えても覚えるだけの機械で終わってしまいます。
それでは意味がありません。
できるだけ咀嚼して、新しい地平を切り拓くこと。
そのための能力を小論文の試験で示すのです。
つまり自分の意見の元となる理由を述べることを意味します。
わからない表現や言葉の意味は幾らでも調べてください。
ただし本番ではできません。
あなたが現在持っている力が、その全てです。
だからこそ、日常の勉強が必要になるのです。
どうでしょうか。
これからの数カ月でやれますか。
無理ならば、あえてチャレンジする必要はないかもしれません。
想像している以上に、文章を書くのは苦しいです。
それでもやりたいのなら、共感の2文字を大切にしてください。
基礎的な勉強を日々積み重ねていって欲しいものです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。