【高校入試作文】過去問を徹底的に練習しキックオフして合格圏内へ

小論文

作文の点数比率はどれくらい

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回はここ数年にわたる都立高校推薦入試の作文問題を中心にみていきます。

ご存知の通り、推薦入試は一般入試の1ヵ月ほど前に行われる入学試験です。

最大の特徴は学科試験がないことです。

調査書、面接、作文の点数の合計で合否がきまります。

点数化の比率は学校によって違います。

一般的に言うと、作文の得点割合は20~25%というところでしょうか。

学校によっては30%近くになるところもあります。

なんといっても調査書の比率が高いです。

約50%と考えておいてください。

残りを面接と作文で分けることになります。

最近では面接も個人面接、集団面接の2通りになりつつあります。

いずれにしても自分が受験したい学校がどのタイプの面接をするのかについても資料にあたってください。

説明会などに出かけると、詳しいデータをもらうことができます。

夏休み前後に行うところが多いので、必ずマークしておくこと。

さてここで作文とわざわざ書いたのには意味があります。

難関の高校はほぼ小論文タイプの問題が出題されると考えてください。

評論文の1部を抜粋し、それに対しての考えを書かせる形式のものです。

一方、作文というのは、今までに経験したことなどを土台にして、高校に入学してからの心構えなどを書けという型の試験です。

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ただし作文といってもその出題内容をチェックしていくと、非常に多岐にわたっています。

出題される学校の数からいえば、作文を出す方が圧倒的に多いのです。

今回はこの型の試験をじっくりとみていきます。

自分が受けるところではないからいいやなどと言わないこと。

必ず似たような問題が出ます。

大いに参考にしてください。

どんなテーマが出るのか

基本は今まで何をしてきたのか、これから高校で何をしたいのかにつきます。

採点者はその学校の先生方です。

生徒の傾向を把握し、同時に国語力をチェックしたいワケです。

国語力と一言でいいますが、基本的な言葉の使い方だけでなく、思考の枠組み、想像力、造形力、構成力などのことです。

あらゆる学問をしていくための基礎体力と言ってもいいでしょう。

それだけになるべく書きやすく、内容に差の出るテーマを考えます。

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ここ数年の問題をここに簡単に書き出してみましょう。

詳細は自分の受験する高校の資料を参照してください。

どこの学校に出題されても違和感のないテーマばかりです。

文章の長いものは、適宜割愛するので、ご了承くださいね。

入試の作文は難しくない

1 「やばい」という言葉の意味は最近大きく変化している。このように言葉が新しい使われ方をすることをどう考えるか。そう考える理由はなぜか。

2 中学校生活で努力した経験をあげ、そこから学んだことを書きなさい。

3 なぜ時間を守ることは大切なのか。その理由を自分自身の体験をまじえて書きなさい。

4 本校の教育目標の1つに「信頼」がある。あなたが中学時代に人から信頼されるために、どんな努力をしたのか。その結果自分にどのような変化があったのかをまとめなさい。

5 あなたにとって「幸せ」とはどのようなものか。これまでの経験や見聞をもとに書きなさい。

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6 「習慣は第2の天性なり」(キケロ)という言葉について、あなたが考えることを書きなさい。

7 中学校で学んだ教科の中で、学ぶ魅力を感じた教科を1つ選び、その理由を具体的に書きなさい。

8 あなたがこれまで努力して獲得したことを1つ書き、それについて論じなさい。

9 「助け合い」について自身の体験を例にあげながら、あなたの考えを書きなさい。

10 高校生活の中で1番力を入れたいことは何か。具体的に書きなさい。

11 「やり抜く力」について自らの体験をあげ、それを踏まえたうえで、どういう高校生になりたいかを書きなさい。

12 「学ぶ楽しさ」とは何だと思うか。まとめなさい。

13 これまで行ってきた「宿題」についての体験を書きなさい。本校入学後の家庭学習についての決意を書きなさい。

14 「公共の場所」とはどのような場所だと考えるか。そこでどのように振舞うことが大切なのか。

15 10年後に実現したいことは何か。その実現に向けて、どのような高校時代を送りたいのか。書きなさい。

16 「母校愛」をどのように考えるか。

17 社会人に求められる能力を1つ挙げなさい。その能力を伸ばすため、本校であなたは何をしたいですか。書きなさい。

18 これからの時代は問題発見能力が大切になります。なぜそのような力が必要となるのか。具体的な体験を示しながら説明しなさい。

19 「樹木にとって最も大切なものは何かと問うたらそれは果実だと誰もが答えるだろう。しかし実際は種なのだ」(ニーチェ)という言葉について、この言葉からあなたが考えたことを書きなさい。

20 「船は港にいれば安全だが、それでは船の用をなさない」(ケインズ)という言葉についてあなたはどう考えますか。自身の体験をもとに書きなさい。

21 「自分が新しい言葉を身につければつけるほど、自分の世界が広がる」という文について、自分の体験をもとに考えを述べよ。

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22 2050年までに発明されていそうなものを書きなさい。どのように活用されているのか、具体的に書きなさい。

23 将来の夢は何か。その実現のために高校に入学後、あなたは何をするのか。

24 グローバル人材とはどのような人のことをいうのですか。あなたの考えを書きなさい。

25 「継続は力なり」という言葉がありますが、あなたが今まで続けてきたことはなんですか。それを入学後どのように生かしますか。

26 「本を読むこと」についてどのように考えるか書きなさい。

書き言葉で「なので」はNG

いかかでしょうか。

いずれも基本的な問題です。

とくに難問というのはありません。

ただし必ず自分の体験、見聞などに基づくものを要求しています。

さらにそれを今後の学校生活にどう生かすか。

あるいは社会生活にどう応用するのかを書かなければなりません。

この2つの要素は絶対に必要です。

この点を強力に考えて補強しておかなければならないと思います。

制限時間は50分が基本だと考えておいてください。

字数は500~600字が1番多いです。

今後、実際に練習する時は、時間と字数をきっちり守ることを大切にしてください。

できたら自分が受験する高校の入試の書式を手に入れたいですね。

どんな問題用紙なのか。

横書きなのか、縦書きなのか。

原稿用紙の形によって、段落の分け方や、改行のスタイルがかわります。

わかっていれば、それと同じものをいくつも作って、それで練習してください。

実際に添削する時も、生徒にはそのように言ってきました。

とにかく心地のよい言葉を正確にまとめていくことです。

美しい論理的な表現には相手の心を打つ力があります。

口語の喋り言葉と書き言葉の垣根が見えていない人が多いです。

最近のケースでは接続詞がかなり乱れているようです。

喋り言葉なら「なので」もいいです。

しかし書き言葉で「なので」はNG。

やっぱり「したがって」でしょう。

表現の温度差について鈍感な人は、美しい言葉で答案をまとめることができません。

それではいくらキックしてもゴールに届かないのではないでしょうか。

内容についての勉強と、言葉そのものの勉強。

車の両輪がうまく噛み合わないと、合格答案にはなりません。

ここに示したテーマは必ず今年も出ます。

少しも古びていません。

というより、似たような問題が毎年出題されているのです。

高校生になって何を学習し、どう成長したいのか。

ポイントはまさにそこにあります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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