【小論文】キーワードを図解的に示しチャート化してから書き出そう!

小論文

ブレインストーミング

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

毎日、入試の準備に余念がないことと思います。

試験は一発勝負ですからね。

あとでつらい思いをするのは誰でもイヤです。

今、やれることを全部やって悔いのないようにしてくださいね。

今回はブレインストーミングの方法を紹介します。

小論文は模範解答のない試験です。

あらかじめ答えが用意できればいいのですが、それがかないません。

その分、チャレンジする甲斐があるともいえます。

名文を書いてやろうなんて決して思わないこと。

とにかく合格答案になればいいのです。

きちんとした論理の通った論文になっていればいいのです。

そのためにはどうするか。

なんといっても課題文型の問題が多く出題されます。

ただ感想を書けとか、意見を書けというテーマ型の問題もないワケではありません。

しかし6割近くは課題文を読んで、考えを述べよというものです。

どちらのパターンにせよ、自分の思考の軌跡をきちんと形に残してください。

キーワードを図解的に示し、チャート化していくと、頭の中がすっきりします。

書き出せば、アイデアはそのうち自然に出てくるだろう、などというのは夢物語です。

とにかく大切な表現をまず書き出しましょう。

断片的なものでいいです。

それぞれの言葉の関係が見えますか。

それがブレインストーミングです。

頭の中を真っ白にして、そこに浮かぶ言葉の関係をチェックするのです。

思いつくままでかまいません。

まず発散して、その後から収束していくのです。

キーワード探し

今回は小論文のテーマとしてよく出る「個性」に着目して考えてみます。

「自分探し」「アイデンティティ」「個性」。

いろいろな言葉で語られますが、小論文の定番メニューです。

あなたの受験する学科が特殊なものであればあるほど、そこに特化した内容で出題されることもあります。

職業への適性を問うものや、自己分析をあえてさせるものなど、出題の方法も多種多様です。

逆にいえば、どうにでも書けるのです。

しかしそれだけにきちんと頭の中が整理されていないと、とんでもない文章になってしまいがちです。

そういう意味では非常に難問です。

心してかかってください。

どんなことが書けそうですか。

キーワードになりそうな表現はなんですか。

課題文のある方が、ある意味では書きやすいですね。

その文章の中にたくさんのキーワードがつまっているからです。

基本はどこから入ればいいのでしょう。

要旨、引用、例証、解釈、解説などを重ねていく方法が一番オーソドックスです。

否定的な要素

1 個性というのは相対的なものだ。
2 日本人は空気を読み、秩序を乱さないという意味で、つねに世間を意識している。
3 均質性、同調性に意識が傾きすぎている。
4 日本人には本当の意味の個性が育たない。
5 教育のあり方も問題だ。
6 全てを個性だといいすぎると、全く社会の統制がとれなくなる。

肯定的な要素

1 今日の日本では個性を重んじ、教育もその方向にある。
2 情報化が進み、自分を探すための方法も充実している。
3 オンリーワンの思想が定着した。
4 生得的な能力や資質を伸ばす環境が整いつつある。
5 グローバル化の中で、価値観が多様化し、自由に取捨選択できる。
6 異文化体験を通じ、自己を発見しやすい。

目次をイメージする

いろいろな内容を書きました。

この中にキーワードが幾つも出てきます。

1つの言葉の裏側に全く反対の要素があることに気づいたでしょうか。

つまりどちらの立場からでも書いていけるということなのです。

となると、自分の立ち位置が重要になります。

目の前の用紙に、それぞれの言葉を書いてみてください。

そして相互に線を結んでいった時、どこが一番太くなりますか。

自分にとってどの言葉が一番深く刺さるかということです。

最初はテーマがバラバラかもしれません。

しかしお互いの関係が見えてくるはずです。

全体像がなんとなくみえてくると、どこから書き出したらいいのかがわかります。

個性、相対的、日本人、空気、秩序、世間、意識、均質性、同調性、本当の意味、教育、あり方、問題、社会、統制、情報化、自分探し、オンリーワン、生得的、能力、資質、環境、グローバル化、価値観、多様化、自由、取捨選択、異文化体験、発見

ここにあげただけの言葉の全てです。

線でつないでみてください。

どこが一番太くなりますか。

それがあなたにとっての書きやすいテーマなのです。

キーワードを楕円で囲み、線をひいて繋げましょう。

目次が見えてきましたか。

どこから書き出したらいいのか、見えてきませんか。

どうしてもダメだったら、課題文に対してイエスかノーかで始めてもかまいません。

しかしテーマによっては、そのような解法になじまないものもあります。

要注意ですね。

頭の回路を閉じる

自分にあった方向が決まったら、一気に書き出しましょう。

小見出しを頭のどこかに浮かべながら書いた方が、よくまとまります。

最初に自分の主張の方向を決めること。

つまり結論をどこにもっていくのかということです。

次に自分の考えにそって、内容を検討します。

根拠の解説がここでできると、論文の形になります。

大切なのは優先度が高い順に内容をまとめていくということです。

自分にとって一番書きやすいところからまとめていくのです。

ただし文章のバランスを考えてください。

なんとなくいい気分だからといって、自分の一番得意なところだけを書いたのでは、全体の構成上まとまりがありません。

段落の文字数の分量をきちんと見極めながら進んでいくということが大切なのです。

個性という言葉はきれいごとで使われる場面も多いです。

逆に言えば、深掘りして書けば、かなりのことが言えます。

字数が少々多いパターンの問題にも対応できるテーマです。

1200字くらいまで、一度書いてみてください。

少し苦しいかもしれませんが、やっておくと後がすごく楽です。

個性はある意味、世代で語られる要素もあります。

自分では違う個性だと思っていても、同時代を生きた人間に共通した価値観もあるのです。

あるいは言語の体系によっても生き方の形が違うという指摘もあります。

さらには個性だと思っていたものが「思い込み」に過ぎなかったという事例も多く見受けられます。

どのような視点から書けばいいのか。

とにかくまとめてみてください。

図解にしてみるというのは非常に有益な方法です。

大学や職場のプレゼンテーションなどでも盛んに応用されて使われています。

今後の勉強にもなります。

是非積極的にトライしてください。

みなさんのスキルが伸びることを心から祈っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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