NGなパターン
みなさん、こんにちは。
小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。
おかげさまで、小論文に関するブログを随分と多くの人に読んでもらえるようになりました。
本当にありがたいことです。
20年間、添削を続けてきたという経験はぼくの財産です。
みなさんにご紹介しながら、少しでもいい文章が書けるようになっていただければと思い、これからも頑張ります。
応援してくださいね。
今回は今までと逆のパターンから書きます。
こうなって欲しいという気持ちで小論文の書き方を論じてきましたが、今日は正反対です。
こうやっちゃダメという負の連鎖をご紹介します。
つまり、ここに書いたような方法をとらなければ、合格答案になるということです。
絶対にNGなパターンを書きますので、どんなことがあってもこうならないように努力してください。
逆にいえば、採点者はこのポイントを最初にみます。
そういえばわかりやすいでしょうか。
みなさんは早く文章を書くことに上達したいと焦っているはずです。
俗にいう藁にもすがりたいというやつです。
しかし焦ってはいけません。
学問に王道なし。
そんなに簡単にいけば、世の中なんにも苦労なんかしません。
今、ここで勉強したことが後から役に立つのです。
大学や専門学校に入れば、たくさんレポートを書きます。
いや書かなくてはならないのです。
その時に、今学んだことがきっと役に立ちます。
少し苦しいかもしれないけれど、食いついてきてください。
いいですね。
わかりやすいように、3つのポイントに話を絞ります。
形を整えなくてはダメ
小論文の採点者は一番最初にどこをみるのでしょうか。
それは形です。
形ってなんのこと?
当然、文字数です。
制限字数は何文字でしたか。
現在行われている小論文の試験では600~1800字ぐらいまで、実に多様です。
一番多いのは原稿用紙2枚の800字。
少し多いなと思うと1200字を超えます。
文章が書いてあれば、当たり前のことですが答案は黒くなります。
手にとってから、採点者は最後まで一通り見ます。
そうすると、何文字書いたかがすぐにわかります。
基準点は全体の90%以上。
これ以上100%まで書けていれば、全く減点はありません。
80~90%になると全体の10%くらい引かれます。
それ以下は想像すればわかりますよね。
どんどん減っていきます。
いいですか。
制限字数まで書けないということは、実力がないということなのです。
実にわかりやすい採点の指標ではありませんか。
逆にいえば、内容以前に絶対に減点されないこと。
これが基本です。
ということはどんなことがあっても90%のラインを超えましょう。
これだけは約束してください。
ただし字数オーバーもダメ。
1文字でもNGです。
全く採点の対象からはずれます。
0点です。
これが小論文の原点です。
絶対にこのことだけは忘れないでください。
どうしても書けない時はこの最後の方法を使ってください。
なんにも思いつかない。
最後、あと何行か残っているという時は自分の意見なんかもう出てこない土壇場です。
とにかく希望を書きましょう。
こうしたいとか、こうなりたいとか、いくつか自分の持つ未来像を書きたせばなんとか数行くらいなら文章になるものです。
この手を使ってください。
それでもどうしてもダメな時は、中に出てくるテーマの例をあげて、「たとえば~」で文をつなげてください。
この方法はやり過ぎると文章を台無しにします。
どうしてもという時のための隠し玉にしておいてください。
誤字脱字・ら抜き言葉・若者言葉
この3つはいつもセットにして覚えておきましょう。
字数がきちんとしていない文章は評価が低くなると書きました。
それと同じように最初にみるのは文字です。
いいですか。
答案は採点者に読んでもらうためのものです。
丁寧に書きましょう。
試験なんだから、みんなていねいに書くのはあたりまえだと思っている人もいると思います。
とんでもありません。
なぐり書きしたような答案が実に多いのです。
読む前からイヤになります。
それでも入試ですから読みます。
字が汚いと第1印象がすごく悪くなりますよね。
もう一度いいます。
文字を丁寧に書きましょう。
あなたの学力を判断するための小論文です。
きちんと読みやすい字で書くこと。
約束してください。
誤字と脱字はダメです。
国語力がないと判断されます。
わからない時、漢字が書けない時は別の表現で言い換えます。
その漢字にこだわらないでください。
その表現にしつこくアタックしているうちに、時間がすぐに過ぎてしまいます。
どうしてもダメな時はひらがなで、やさしく言い換えるのも手です。
もう一つ、会話を絶対に入れてはダメ。
小論文は「論文」です。
論文の命は論理性です。
それを崩すものが会話なのです。
いわゆる地の文で書いてください。
会話を入れれば字数が稼げるということは誰もが知っています。
しかし我慢してください。
それをしたらNGです。
「○○ちゃん、試験が終わったら~に行きたいね」
作文によくあるようなこのタイプの会話文は絶対にダメ。
書いたらその時点で小論文ではなくなります。
若者言葉も書いてはいけません。
「マジ」「ださい」「ちがくて」なんていう言葉を書いているようでは、最悪の結果しか残りません。
悲しいことに自分が使っている言葉が、小論文に向いていないということを知らない人もいるのです。
こうなるともう学習するレベル以前の話かもしれませんね。
最後に絶対NGな大物を付け足しておきます。
それはら抜き言葉です。
なにがなんでも使ってはダメです。
「食べれる」「着れる」「出れる」「見れる」などという表現を小論文で使うと、国語力がないのを採点者に宣伝しているようなものです。
詳しく説明しましょう。
ら抜き言葉とは動詞に可能の助動詞「られる」がついた「食べられる」「着られる」「出られる」「見られる」などから「ら」を抜いた表現のことをさします。
このNGセット、誤字脱字・ら抜き言葉・若者言葉は全て要注意です。
基本中の基本です。
絶対に忘れないでください。
最後は論理性
小論文は論理性重視の試験です。
最初の書き出しから、結論に至るまでが終始一貫した論理で組み立ててなければ、ダメです。
採点者は基本の部分が全てクリアされていると判断した時、最終的に論理の筋道をみます。
この部分がきちんと書けていれば合格です。
それだけの重みをもっていますから、十分慎重に書いてください。
最初に賛成の立場で書いていたのに、最後には反対の内容になっていたというのでは話になりません。
大幅な減点です。
合格は難しいでしょう。
せっかく丁寧に書いて、言葉遣いに神経を使っても、論理性が欠落していれば、それで終わりです。
自分がどの立場で文章をまとめているのかを冷静に考えながら、文章をまとめましょう。
感情的になりすぎてはいけません。
そういう気持ちで書いてしまうことが、ことによるとあるかもしれません。
それでもつねに第三者の目をもって、冷静になることです。
今回はこれだけはしちゃダメという視点で書きました。
十分自分のものにして小論文試験に向かってください。
みなさんの吉報をお待ちしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。