段落の切り方
みなさん、こんにちは。
小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。
今回もみなさんに小論文の書き方をお教えいたします。
格別に難しいことを言うつもりはありません。
ただここに書いたことを応用してください。
それだけで、ぐっと小論文の文体に近づきます。
まさに型から入るのです。
採点者は答案をみた時に、書き慣れているのかどうかをまず見ます。
どこで判断するのか。
文体です。
小論文には独特の形があるのです。
それをきちんと知っているかどうかで、レベルを判断します。
具体的には段落分けと文末表現をみます。
段落をどのように切るのかということは、つまり構成意識があるかどうかの確認です。
書き出しから結論までいくつか改行をして、文章を書きます。
それがきちんとできているということは、それだけで合格答案まっしぐらなのです。
問題提起、意見提示、展開、結論を積み上げていくために、必ず改行をしますね。
これがすごく大切なのです。
なぜ改行に意味があるのかといえば、文頭を1マスあけると、必ず前の文章に余白がでます。
わかりますか。
文を途中まで書いて句点をつけます。
そこで改行する場合、次の行へいって1マスあけますね。
すると前の行の下の方は何も書かれていない空白になります。
そして次の行が1マスあいて書き出される。
ここがポイントなのです。
すごく読みやすい文章に変身します。
ぎっしり文字だけで埋まっていたところに、余白が生まれます。
これが貴重なのです。
改行をいくつすればいいのかは、その文章の構成によって異なります。
これが正解というものはありません。
基本的には内容が切れるところ。
800字でしたら最低200字ずつに1度。
もっとあってもいいです。
文章の内容によります。
最初の問題提起が100字ですんだら、その後に改行を入れてください。
段落のない文章を絶対に書かないこと。
原稿用紙が文字で真っ黒なのはダメです。
ところどころに余白を入れること。
これを守ってください。
文末表現の約束
もう1つ大切なのが、文末表現です。
であるとですますの混在などは論外です。
話になりません。
小論文は「である」調以外ありません。
よしそれならばというわけで、次から次へと「である」を連発したのでは、単調な文章になってしまいます。
工夫してください。
練習がどうしても必要です。
「~だ」「~に違いない」「~ではあるまいか」「~だろうか」
文末にはいろいろな表現があります。
その時々に必要な言葉を補いつつ、文章をまとめてください。
なかには「~のだ」「~のである」を連発する人がいます。
確かに「~のだ」という表現は小論文らしいところがあります。
しかしあまりにこれを続けられると、まるで天才バカボンのパパだなと感心してしまいます。
文をまとめる時に欲しい表現の1つではありますが、「~のだ」「~のである」を続けて書かないこと。
この言い方は演説などで言い切る時や、プロパガンダにはいいかもしれません。
しかしあまりにも論文の中で多用すると、文章のリズムが単調になり、強くなりすぎます。
小論文では1つの意見を言い切ることもありますが、どちらかといえば、かなり賛否の難しいテーマを扱うことが多いのです。
それだけにあまりにも強い肯定や否定の表現をいれてしまうと、先に進めないということもおこります。
その意味で文章の構成をじっくりと考えてください。
いつも「~のだ」をつかっていい気持ちになっていてはいけません。
非常に微妙なニュアンスの内容になればなるほど、この言い方が目に強く飛び込んできます。
文末表現には、徹底的にこだわってください。
人間は書き出しよりも、最後の方に意識が集中しがちなものです。
それだけに強い言葉はマイナス要因をもたらすことも、よくあります。
「~のである」もまったく同じです。
普通に「~である」と書けばいいところを、少し気取って「~のである」とすると、偉くなったような上からの目線になります。
これも十分に気をつけてください。
ここまでで大切なことを2つ書きました。
段落分けと文末表現です。
文末表現についてはもう1つ大切なことがあります。
それは文末から「思う」「感じる」「考える」を消してしまおうということです。
なんでも最後は「~と思う」と書く人がたくさんいますね。
これは絶対にダメですよ。
「感じる」「考える」も同じです。
そんなことを言われたら文章が書けなくなりますという人もいることでしょう。
気持ちはよくわかります。
書きたくなっても懸命に我慢してください。
必ず上手になりますから。
信じてついてきてください。
以前、このことについては詳しい記事を書きました。
この記事の最後に掲載しておきます。
必ず読んでくださいね。
文末表現は印象を強く残す小論文の要です。
絶対に自分の型を作り出せるまで書き込んでください。
カタカナ語はNG
ついでに基本的なことを書いておきます。
どうしてもカタカナ語で書かなくてはならない時以外、使うのはやめましょう。
カタカナで書くのは外来語で、その表現以外にない時だけ。
普通ならば、カタカナを使わなくても同じ意味の日本語はあるはずです。
そちらを使ってください。
どうしてもカタカナが多いと、文が軽くなります。
同時に字数を多く使います。
漢字は意味を持っているので、短くても濃い内容の文章になります。
多く使うと、ほとんどキャッチコピーにしかみえません。
小論文を軽くしすぎないこと。
これも大切なポイントです。
オノマトペもNG
擬態語と通常訳します。
雨がざあざあ降る。
犬がワンワン吠えるといったような言葉遣いを、小論文でする必要はありません。
論文には論文の文体があります。
それをきちんと身につけてください。
書いたら必ず大きな声を出して読みましょう。
可能ならば先生に添削してもらってください。
何度も続けていると、文章のポイントが見えてきます。
自分の悪い癖もわかります。
少しずつ修正してください。
入学後もたくさんレポートを書きます。
その時に役に立ちますよ。
合格の日を夢見て頑張ってくださいね。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。