垣間見る

【蜜柑・芥川龍之介】日常のわずかな瞬間に作家の内面を垣間見る

芥川龍之介の短編『蜜柑』は実に味わいのある作品です。暗い気分で電車に乗っていると、少女が突然やってきます。トンネルを抜けたところで、窓から蜜柑を投げたのです。少女は奉公に出るのでした。蜜柑が別れを惜しんでやってきた弟たちとの惜別の品でした。