【エントロピー・環境】エコロジーが機能するなんて考えるのは甘い

ノート

エントロピーとは何か

みなさん、こんにちは。

ブロガーのすい喬です。

今日はゴミの話をさせてください。

だったら素直にそう書けばいいじゃないか。

エントロピーなんていう横文字をもってくるから話がこんがらかってくるんだ。

まさにその通りです。

しかし今ではこの言葉を多くの人が使うようになりました。

多様性のことを誰もがダイバーシティというのと同じです。

それくらいよく耳にする表現なのです。

元々は熱力学の分野での専門用語でした。

1865年、ドイツの物理学者クラウジウスが熱力学の法則を定式化し、はじめてエントロピーの概念を確立しました。

それがいつの間にか、人の口にのぼるようにもなったのです。

ちょっと恰好がいいので、ぼくも時々使います。

初めての人は今日から、是非使ってみて下さい。

元々は「原子的排列および運動状態の混沌性・不規則性の程度を表す量」をさします。

やさしくいうと、ゴチャゴチャ度です。

熱力学や情報理論などで使うことが多いですね。

日常生活においてはどこで使うのかといえば、それはもっぱらお片付けの話です。

ゴミがテーマになると、俄然エントロピーという言葉が出てきます。

単純にいってしまえば、家の中にゴミがたくさんある状態をエントロピーが高いと呼ぶのです。

生物は生きているだけでさまざまな資源を必要とします。

さらにエネルギーをとってそれを排出します。

つまり生態系へエントロピーを放出するワケです。

つまり汚れる。

数値が高くなるのです。

それだけゴチャゴチャでメッシーになるということです。

環境問題との関係

環境問題も理屈はおんなじです。

たくさんの生物が混在して棲息すればどうしても生態系を汚してしまいます。

つまりエントロピーが増加するのです。

もちろんエコロジーの循環でなんとかやってきたという長い歴史もあります。

しかしもう限界です。

一般に有機系の物質は腐ります。

それが自然の肥料に、さらに次の食料に変化することもあります。

しかし近代文明はたくさんの腐らないものを開発してしまいました。

1番が石油化学ですね。

プラスチックを想像すればよくわかります。

今やプラスチックぐらい厄介なものはありません。

どんどんたまっていきます。

いくらマイクロチップにかえても腐りません。

海底に沈み、海の中を流れ続けます。

海洋汚染が深刻になりつつあるのはご承知の通りです。

魚がそれを食べ死ぬ。

海洋の温度が上がる。

廃棄物の処分が出来なくなった時点で、すなわちエントロピーが最大となったところで、経済成長が止まらざるを得なくなるというワケです。

これが最悪の図式です。

まさにエントロピーとはゴミのことだといってもいいかもしれません。

散らかった部屋

かなりアカデミックな気分でこの記事を始めたものの、結局はゴミ問題になってしまいました。

これからはエントロピーという表現を見たらわかりやすく、自分でゴミの話だなと置き換えてください。

核物質の廃棄物をどうしましょうか。

処分地でもめてますね。

geralt / Pixabay

エントロピーの数値が高くなりすぎました。

どうしようもありません。

ところでもう1つ大切な表現があります。

それがネゲントロビーです。

これはエントロピーが最低ランクに達した時の表現です。

反対のイメージだと思ってください。

エントロピーの数値はそのまま放っておくとどんどん拡散していってしまいます。

後戻りができなくなるのです。

1番は地球環境問題です。

しかしこれを経済のレベルで考えると財政政策そのものです。

日本の国債発行額がいくらか知っていますか。

国債とは国の借金です。

幸いなことにギリシャなどと違ってこの国の借金は同じ国の中でなんとかやりくりしています。

国民が国債を買ってくれるんですね。

別に国のことを心配しているワケじゃありません。

銀行預金より少しだけ金利が高いから買っているだけの話です。

その額は実に2019年度末で897兆円。

この額は一般会計税収の約15年分に相当します。

国民1人当たりに換算すると713万円の借金を背負っていることになるのです。

今年はコロナの影響でさまざまな施策が繰り広げられています。

現在行われているGoToキャンペーンも全ての資金はここから出ているのです。

ますます国の借金は増え、もうどうにもならなくなっています。

これがエントロピーの拡散イメージそのものです。

もうどうにも止まらないのです。

その反対のレベル、つまりネゲントロピーへ向かうためには、財政縮小路線を進む以外にありません。

そんなことが現実にできると思いますか。

今まで何度も試みてきました。

しかしうまくいきません。

たくさんの人が生きているだけで、地球はだんだん汚れて膨らんでいくのです。

国家、政治、経済もしかりです。

ネゲントロピーは青い鳥

では外部からマイナスの気を取り込んで、人間個体のエントロピーの増加をそれで打ち消すことが本当に出来るんでしょうか。

これがいま人間社会でも地球環境でも求められている重要なキーエレメントなのです。

人類はこのネゲントロピーを青い鳥を探すように模索しています。

しかし総論賛成、各論反対です。

Capri23auto / Pixabay

一般論としては全くその通りですが、さて自分の問題となると、簡単じゃありません。

老子のいったように無為自然にいくしかないと達観するのもありです。

しかしそんなに簡単にいくワケがないのも、現実をみていればよくわかります。

旅行代が半額になれば喜び、1人あたり10万円をくれれば嬉しいのが人間です。

ゴミ箱をいつもきれいにして、部屋を整理整頓している人ばかりではありません。

外見はなんとかごまかせても、机の中はゴチャゴチャ。

買い物はカードで後払い。

最悪なリボルビングまで使って支払いをしている人もいます。

今度のコロナ禍もエントロピーの増大と無関係ではありません。

生態系の秩序は次々と犯されているのです。

命はこのエントロピー増大の攻撃と常に抗わなければなりません。

もう追いかけられてどうにもならないという時が、すなわち死の瞬間です。

死とはエントロピーが増大したあげくの究極の形なのです。

最後は宇宙全体の膨張による爆発まで待つ以外に手はないかもしれません。

ネゲントロピーが人間の手によって完成することはありうるのでしょうか。

そうあって欲しいと願う気持ちは山々ですけどね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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