参考書
みなさん、こんにちは。
元都立高校国語科教師、すい喬です。
今回は参考書の話を少し書きます。
もうここまでくると、すがりたくなりますよね。
これだけ読めば書けるようになると副題にあると、本当にそうかなとも思います。
それでも結局は手にとってみるのです。
ぼくも何冊読んだことでしょう。
これが最もいいという定評の参考書は何冊も持っています。
何度も繰り返して読みました。
結論から言います。
そんなに簡単なことではありませんでした。
よく自分の意見を書けとか、提案をしろなどと最初に論じているものがあります。
これは文章が実際にかける人の話です。
やってみればわかりますが、そんなに簡単なものではありません。
自分の意見が書けるようなら、なんにも苦労はしないのです。
大多数の人はまとめきれません。
自分の提案を持つというのは大変なことなのです。
そのテーマに肉迫して、少しでも役にたつ考えを出すということは、至難の業です。
それができるくらいなら、苦労はしません。
高齢化社会を乗り切るためにどうすればいいのかと言われて、すぐに解決策が書けますか。
とてもそれほどに簡単な問題ではありません。
少子化をどうやったら食い止められるのか。
自分の提案をきちんと出せる受験生なら、参考書など読まなくても、合格答案は書けます。
できないから
それができないから参考書に辿り着くのです。
執筆しているのは立派な先生ばかりです。
彼らもすごい苦労をして、今の実力を蓄えたに相違ありません。
文章を書くという人はそれくらいに苦しいことです。
ぼくも添削をし続けてきました。
今もしています。
成績のいい生徒でも、論理的に自分の考えを組み立てるという練習をほとんどしていません。
今の学校のカリキュラムがそういう訓練をほとんどしていないのです。
それなのに突然内容をまとめながら小論文の体裁になるものを書き上げろと言っても、それは無理な話です。
もっともっと本を読み、経験を重ねなければなりません。
ただ新聞を読んだだけではダメなのです。
それを自分の中で噛み、栄養にして、そこから芽を出さねばなりません。
当然、長い時間がかかります。
小手先のテクニックなどでは簡単にまとまるものではないのです。
執筆者の先生方はそのことをよく知っています。
それでもなんとかなると言い切らないと、本は売れません。
彼らは自分のつくったメソッドを身体の中に沁み込ませているのです。
したがって、どこから変化球がやってきても対応できます。
しかし経験値の少ない人は、それができません。
ただ慌ててしまって、とんでもない結論を導き出します。
高齢者ははやくこの世を去ればいいといったような暴論を今までに何度も読みました。
ジェンダー
ジェンダーの問題も同様です。
真剣に是正しようとしたら、これほどに難しい問題はありません。
卑近な例でいえば、あの紅白歌合戦でさえ、ジェンダーを乗り超えようとしているのです。
しかしそれも簡単にはできません。
SDGsのテーマまで出して、内容を整理しようとしています。
しかしあくまでもとってつけたような居心地の悪さを感じました。
小論文も全く事情は同じです。
日常的に自分の考えをきちんと持ち、その座標軸に沿って内容を整理する訓練をしていないとダメです。
短時間のうちに書き切ることはできません。
必ずどこかで躓いてしまうに違いありません。
それくらい、文章を書くというのは難しい作業です。
曖昧な勉強法でできるワケがありません。
しかしこれからの時代には必須でしょうね。
書ける人間は伸びていきます。
プレゼンテーションの能力も似ています。
自分の考えをどうしたら相手に伝えられるのかということを学び続けてください。
そのための参考書なら、意味を持ちます。
ただ読めばそれで力がつき、文章がかけると単純に考えているのなら、やめた方がいいです。
時間の無駄になります。
一生の財産
とにかく時間は迫っています。
あらゆるテーマを自分のものにすることはできません。
基本的な立ち位置を決め、知らないテーマについては少しでも頭の中に叩き込む訓練をしてください。
その上で先生にみてもらうこと。
こんなに試験が迫っているのにと言われても、頭を下げましょう。
アドバイスを謙虚に受け入れることです。
眼高手低にならないように。
文章はあなたそのものです。
あなたの歴史を背負っています。
採点者を騙すことはできません。
全て見破られています。
そのつもりで謙虚に試験日まで学び続けて下さい。
本当の力を得れば、一生の財産になります。
どこでもその力を発揮することができるのです。
期待しています。
頑張ってください。
上級学校に入っても読書はやめないでください。
あなたの脳を活性化します。
絶対に読み続けることです。
忘れてもかまいません。
あなたの中に沈殿して、発酵します。
頑張ってください。
期待しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。