必勝パターンを覚える
みなさん、こんにちは。
小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。
いよいよ大学入学共通テストが始まりました。
紆余曲折の果てというのが率直な心境です。
さらに現在のコロナ禍。
どういう結末になるのか、誰にも予想がつきません。
それでも55万人弱の受験生が同じ試験に挑むのです。
壮絶な光景ですね。
試験中は確かに話をしないので、飛沫が散乱するということもないでしょう。
問題は試験と試験の間の休憩時間です。
どうぞ細心の注意を払って受験に臨んでください。
いよいよ小論文の出番です。
2次試験に行われるケースが多いと思われます。
国立の場合は字数の多い大学が大半です。
心してかからなければなりません。
この時期にきていまさらパターンを覚えろというのは失礼な話かもしれません。
しかしこの決められた型にそって文章を書けば、きちんとした小論文になるのです。
とんでもない感想文を書きなぐるより、ずっと合格に近づきます。
難しいテクニックを身につける必要はありません。
いつも全く同じというワケにはいかないかもしれません。
しかしほぼこれでバッチリです。
試験の前で慌ただしいとは思いますが、やってみてください。
けっして突飛な発想ではありません。
多くの参考書にも載っていることです。
しかしなかなかできない。
そこが小論文の1番厄介なところなのです。
全体を3段落で
これはどの本にも書いてあります。
起承転結はいりません。
起承結で十分です。
というより「転」を書くと、話が複雑化してコントロールが効かなくなります。
これだけは避けること。
短い時間の間にまとまった整合性のある文章を書けばいいのです。
余計なことを考えてはいけません。
第1段落は問題提起と主張です。
テーマを読み取りましょう。
何が問題の核心なのか。
キーワードの中でも1番多く出てくる表現は何か。
その周辺に大切なポイントがあります。
それに対して、自分の考えはYesなのかNoなのか。
はっきりさせた方がいいです。
Noの方が視覚的にはインパクトがあります。
しかし心の中ではYesなのに無理してNoにする必要はありません。
必ず採点者に見破られます。
理由を書きましょう。
「なぜなら~」と素直にまとめればいいです。
少しだけその考えに至ったワケを書きます。
第2段目が究極の山
採点者をここをじっくり読みます。
殺人事件のサスペンスドラマと同じです。
犯罪を絵解きするシーンです。
どうしてこの人が殺人を犯したのか。
その動機は何か。
殺害の現場に残された凶器でどのように殺したのか。
この部分を皆、知りたいのです。
小論文も事情は全く同じです。
その意見を持つに至った理由をきちんと説明する必要があります。
もちろん感覚的な文章ではダメ。
こういう論理で突き詰めていったら、こういう考えになったということをはっきりさせます。
ここが曖昧だとそれだけで評価は下がります。
というより合格の可能性が確実に減ります。
理由を示すためには自分の得た知識をフルに稼働させなければなりません。
誰もが納得するだけの理由が示されていなければ、結局ただ感想を述べただけということになります。
これでは論文になりません。
もちろん、問題文のテーマにあるヒントを使うことはかまいません。
しかしそれがヒントだと気づいていなければ、結局何も書けずに終わるでしょうね。
受験生はここで焦ります。
時間はどんどん過ぎていくのに、問題の核心が見えない。
どうすればいいのか。
キーワードの山を探る以外に手はありません。
本当の国語力が試されるシーンです。
自分の主張をもう1度
第2段落がうまく書ければ、結論は自然に出てきます。
それは自分の主張に自信があるからです。
ここまでの論理を読んでもらえれば、これ以外にないということを胸をはって言えるのです。
しかしその逆はどうか。
当然、言葉に力が入りません。
なんとなく不安を抱えたまま、最悪のケースでは同じことを繰り返すだけです。
これでは採点者はどのように点数をつけていいのかわかりません。
先の文章はもうないのです。
どうしてももっと書きたいという風にみえるだけの積極的な姿勢があってもいいですね。
今までの勉強ではここまでが限度だということもありうるでしょう。
この先は大学に入り、例えば経済学を学んでからさらに深めたいという論点も成立するかもしれません。
しかしそれはいつでも成功する方法ではありません。
ギリギリまで問い詰めたという自信がなければ、とても書けるものではありません。
自分の論理と事実の間に整合性があるのか。
それを例示によってさらに強めるということも可能です。
ただし深追いをしてはいけません。
基本は第2段落に書き込んでおくべきだからです。
本当に追加の追加の例示というレベルでしょう。
小論文は理由の説明が全てだと考えてください。
ここに全力を費やす。
それが全てです。
そのために多くのことを学んできたのです。
起承結の3段論法以外に、合格の方法はありません。
感想文をいくら書いてもNG。
小論文の王道を最後の最後まで貫いてください。
今回もおつきあいいただきありがとうございました。