【難波の三位入道殿・筑波問答】蹴鞠も連歌もその人にふさわしい指導法が

連歌はどのように稽古すればうまくなるのか。これはなかなかに難しい問いです。『菟玖波集』で有名な二条良基は、筑波問答の中で面白い話をしいます。蹴鞠の名人だった人の指導法を紹介しているのです。ちょっと読んでみませんか。

【入れ札・菊池寛】人間の自尊心くらい面倒なものはない【新作落語】

菊池寛の短編に『入れ札』という小説があります。国定忠治の出てくる話なのです。それが「文学国語」の教科書に載っていました。驚きましね。人間の自尊心の複雑な一面をみごとに描いた話です。
ノート

【際限なき生成AI】Copilotの開発は人間に何をもたらすのか【新機能】

生成AIの研究が止まりません。いよいよMicrosoftが新しいAI機能を積んだアプリ「Copilot」を発表しました。ブラウザやOfficeソフトに連動している点が目新しいのです。

仮道伐虢(かどうばっかく)・晋に滅ぼされた小国・虢に由来する故事【呂氏春秋】

仮道伐虢という故事をご存じでしょうか。「かどうばっかく」と読みます。難しい言葉です。昔の中国の歴史に取材した表現なのです。簡単にいえば、甘い言葉には必ず裏があるということです。どこからきたのか、内容をチェックしてみてください。

【達人は達人を知る・今物語】道を極めた人には他者の真価がわかる【歌詠み】

今回は『今物語』という本に載っている歌人の話をとりあげてみましょう。定家と家隆の話です。二人とも当時としては最高峰の歌人でした。各自、誰の歌が好きかという話をしていくと、互いがそれぞれの歌をあげたのです。

【福沢諭吉・学問のすすめ】天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず

福沢諭吉の著作『学問のすすめ』は混沌とした今の時代にも十分通じる内容です。明治の時代を切り開くために必要な考えでした。しかし現在の格差社会においても、少しも古びていません。そこに示された内容は意義深いものです。

【言いあてし薬師・花月草紙】人は苦しい目にあってはじめて忠告の意味を知る

松平定信の書いた『花月草紙』を読みましょう。今回は名医に予告された病気になった人の話です。人間はいくら忠告されても、本当に困った状態にならない限り、なかなか他人のいうことを聞かないものです。悲しい性ですね。

【徒然草&花月草紙】友人の選び方と付き合い方くらい厄介なものはない

『徒然草』と『花月草紙』を比べて読んでみましょう。トピックスは友人です。どんな人を友とすればいいのか。昔の人も人間関係ではかなり苦労したのです。いつの時代も同じなのかもしれませんね。悩みの種です。

【発心集・鴨長明】煩悩の虜になると名僧も十悪の罪業に陥る危険が

人間の煩悩には限りがありません。鴨長明の書いた『発心集』には薬師寺の僧侶の話がでてきます。律師という高い位にのぼったにも関わらず、さら上の位をねらおうしたのです。その結果はどうなったのでしょうか
学び

【フィルターバブル】あなたのスマホにはあなたの推しだけが並ぶという怪

全国学力テストは小学6年生と中学3年生を対象に、学力や学習意欲などを毎年調べている試験です。中学3年の国語の問題に「フィルターバブル現象」を問う内容のものがありました。なんのことかご存知ですか。アルゴリズムの問題です。

【雲居にのぼる橋・唐物語】中国の偉人伝を翻案したユニークな説話集

【雲居にのぼる橋』という説話を紹介します。これは「唐物語」という中国の偉人伝を翻案したユニークな説話集の中にあるものです。日本人が書いた本の主人公が中国人という不思議な体裁の話なのです。

【腹悪しき女房・沙石集】親孝行と嘘をつくことの重みを考えると【説話】

仏教説話『沙石集』の中にある話です。母親の主張に反論もせず、息子は自分の土地も召し上げられそうになります。原因は暴力をふるったということにありました。 しかし実際はつまづいた母親の言いがかりだったのです。
学び

【固定観念の怖さ・歴史学】小作農の中には廻船交易人や商人まで存在していた

人間は先入観や思い込みで物事を判断しがちです。いわば固定観念にがんじがらめにされているのです。そこから抜け出すためにはどうしたらいいのか。事実に対して謙虚で自由になれるということが、何よりも大切です。

【雲林院の菩提講・大鏡』2人の老翁の出会いが昔物語の世界を創った

『大鏡』は歴史物語の代表です。藤原道長の威光を記録した作品です。読んでいると実に生き生きとした道長の様子が見事に描かれています。楽しいです。その昔話をしているのが2人の老人なのです。180歳と190歳というのですから、驚きですね。

【日知録・コンプライアンス】法令が細分化されると人間は次第に無気力になる

『日知録』は中国の清朝の顧炎武の著書です。さまざまな儒学の思想を日常的な儒学の中に実学として落とし込んでいます。それだけに読んでいると、なるほどと納得させられる内容に満ちています。今回は法令の細分化が持つ落とし穴についてです。

【戦国策・三人成虎】同じことを何人にも言われると人はつい信じてしまいます

『戦国策』という本の中には実に多くの知恵がつまっています。その1つ1つが論客たちによって説かれた内容なのです。今回は同じことを何人にも言われると、最後はかぎりなく真実になるという話です。