ビッグモーター崩壊
みなさん、こんにちは。
元都立高校国語科教師、ブロガーのすい喬です。
今回はよくこの人がここまで語ったという事実に感動したので、書く気になりました。
正直、この直後はかなり怖かったと思います。
ビッグモーター崩壊の話を知らない人はいませんものね。
まだそれほど有名でもない頃、エンジンオイルの交換をしてもらったことがあります。
その後、ちょっと車の話を訊こうと思ったものの、新人社員ばかりだったのでやめました。
あれが数年前でしょうか。
会社が潰れる時は、急流にのみこまれたようなもんです。
伊藤忠があとをひきとると聞いたときは、ちょっと驚きましたね。
商社は儲かるとみれば、その前がどんなであろうとも、形をかえて上書き保存していくものだとしみじみ感じます。
会社の名前もかわりました。
先日、本店の前を通りかかった時、大きな看板が全部取り替えられていたので、驚きました。
しかし家の近くの店はまだそのままの看板でやっています。
店舗の前の植木をみると、除草剤のことを思い出しますね。
創業者の息子だった当時の副社長は今、どこで何をしているのでしょうか。
植木に薬剤をまいてまで、仕事に専念した社員の気持ちを考えると複雑です。
時の流れははやいものですね。
1年足らずの間に、さまざまなことがありました。
最初は興味半分で動画を見始めたのです。
「BUDDICA」(バディカ)という中古自動車販売の会社を経営する中野社長の生きざまが、すさまじかったからです。
中古についてのレクチャーそのものも面白かったです。
知らないことをいろいろと教えてくれました。
明るいキャラクターが、中古自動車業界の怪しさの対極にあったのです。
中古車業界の闇
中古車業界の闇と簡単に言いますが、その裏側は本当に一筋縄ではいかないようです。
なぜBUDDICAという中古自動車会社を知ったのかといえば、何気なしにYoutubeを見始めたからです。
最初のシリーズから魅せられましたね。
社長、中野優作氏の風貌には並々ならぬ強さと魅力がありました。
彼自身、「メラビアンの法則」を頑固に押し通してきたというだけあって、第一印象が実に爽やかです。
話し方も決して強引ではありません。
さらに自分に対する自信とプロ意識を強く持っています。
メラビアンの法則というのを御存知でしょうか。
この法則は人と人とのコミュニケーションにおいては、言語情報が7%、聴覚情報が38%。
さらに視覚情報が55%のウェイトを占めるという心理学上の法則です。
とにかく彼の第1印象は実に爽やかなのです。
インタビューの背景にはいつも緑の木々があります。
けっして、中古車が並んでいるような場所で撮影はしません。
彼がどんな人物だったのかを知れば、驚きも増すと思います。
数年前にBUDDICAを立ち上げるまで、ビッグモーターの幹部だったのです。
その風貌を見ているとちょっと意外な気がします。
全社中で売り上げナンバー1を誇り、エリアマネージャーへまもなく昇格しました。
しかしそこまで昇りつめる中で見てきた現実は、想像以上のものがあります。
つまりしてはならない経営の裏側も見てきたのです。
ゴルフボールでへこみをつくるなどというレベルの話ではありません。
もっと経営の根幹にかかわることばかりです。
インタビューの内容がすごい
最後にビッグモーターを辞めた時は、どうにもならない現実を見てきたことに対する疲れもあったのでしょう。
そのことを実に正直にこのインタビューで語っています。
今まで見てきた中古自動車の選び方などといったレベルからは、想像できません。
過去のYoutubeの内容から数段、一気に駆け上がった印象があります。
ここまできたら、すべてを語ってしまおうと腹をくくったのでしょう。
警察の捜索が次々と進められている時でした。
なかでも1番、印象に残ったインタビュー動画を最後にアップしておきます。
今となっては、すでに過去の話ですが、きっと怖かったにちがいありません。
自分を引き上げてくれた会社に対しての、わずかな愛情も切れた瞬間です。
前の社長に対しては、けっして悪い感情だけではなかったということもよくわかります。
しかし彼の息子が副社長で入ってきた頃から、社内はひどい状態になっていきました。
ビッグモーターで売り上げが伸びなかった当時、どういう販売方法をとったのか。
上司や仲間にとんでもないハラスメントを受けた事実。
やがて頭角をあらわし、会社の階段をかけあがっていった頃の話。
ビッグモーターの社長の人柄についても、詳しく語っています。
さらに副社長が入ってきてからの社内の変容ぶり。
どれもなるほどと納得させられる内容です。
新会社立ち上げ
BUDDICAをつくった時、本当に生活ができるかどうかわからず、それでも闇雲に進んだ経緯にも実感があります。
自分で車を買い、はじめて母親を隣に乗せて走った時、母親は泣いたそうです。
「母ちゃんの喜んだ姿が目に焼き付いていて離れない」
そう呟く彼の姿には、車に乗るのはたくさんの楽しい思い出と一緒でなくてはならないという信念が垣間見えます。
ビッグモーターを辞めた社員が、その後、彼を頼ってかなり入社したそうです。
絶対に卑怯な商売はしたくないという考えが、この先、どう展開していくのか。
昨年の8月には高松市に新しい店をオープンし、幻冬舎から本まで出しました。
今や、新しいタイプのインフルエンサーになりつつあります。
営業のノウハウを教える動画を見ると、大いにインスパイアーされますね。
今回はこの動画を見てもらいたくて、記事を書きました。
取り巻きをつれて取材を受けるのはイヤだという態度にも共感しました。
今後の動きをさらにみつめていきたいです。
時はうつります。
悪徳業者が跋扈する中古車業界の裏側も見えてきました。
今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。